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ダメダメ医学生の京風日記
by 伯耕
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■初めて「見た」癌
睡眠不足を補ってもあまりある熟睡でした(笑)。
さて、また一週間が始まった。今日も午後は解剖実習だ。
テストTが終ったので今日から御遺体チェンジ。
1つ後の実習台に移動してまた実習開始だ。
今までの実習で首、背中、腕、手の解剖を終え、
今日からはいよいよ胸部、腹部に入ってゆく。
まずは肋骨を露出させ、表面筋膜を観察。
それが終ったらいよいよ肋骨の切除に入る。
巨大な骨切りハサミが登場、肋骨を一本一本切断する。
ハサミに力を入れると
「メキメキッ、バキッ」
という鈍い音と共に肋骨がきれいに切断されてゆく。
胸骨体に接続する第二から第六肋骨を両胸ともに腋窩線と胸骨脇で切断し、
間をつなぐ筋層をメスで切除すると、胸部をふさいでいた肋骨が
まとめて全部持ち上がったのでこれを取り外す。
肋骨を取り除いて現れたのは、肺だ。
タバコを吸われていた方なんだろうなあ、
肺全体に黒いシミが、ゴマをばらまいたように付着していた。
そして、肺の一部を持ち上げた時に、
肺の一部に妙なコブがあるのを発見。先生に聞いてみると・・・
「あー、これ癌だなあ。」
癌ですかぁ・・・。初めて見たわ・・・。
よく見ると、肺のあちこちにこうしたコブが見受けられる。
程度を見る限り、どうも転移癌のようだ。
こういった方は腹膜癌を併発して、内蔵もかなり痛んでる事が多いみたい。
肺の下に見える肝臓も妙に硬いし。肝硬変も併発してるのかなあ。
ウロウロしてた某T氏に一言言われた。
「Y君(←俺)って切るの好きだねぇ。」
否定はしないよ(笑)。
もちろん、むやみやたらとは切りません。
将来何でもかんでも切りたがる医者には絶対なりたくないし。
この後、肺を脇によけると、
縦隔膜に覆われた大きな臓器が現れる。心臓だ。
心臓外科に見学に行ったとき実際に動いてる人の心臓も見たけど、
やっぱり心臓は思ってたより大きい。
拳一つ分よりはさらに一回り大き目、そのくらいのイメージ。
心臓の上部の結合組織をそぎ落としてゆくと、
下のほうに巨大な組織が現れてきた。これが大動脈みたい。
とりあえず・・・太い!
人間の体で最も太い血管だ。
網の目のような細血管が取り巻く白く硬い管は
優にトイレットペーパーの芯くらいはありそうだ。
ここから頚動脈、腕頭動脈が分岐するのを確認、
ついでに反回神経がここを回りこんで上行するのも確認。
心臓表面の観察が終ったら、肺を摘出する。
気管支、肺動静脈結合部分をメスで一気に切り取り、
肺全体を体から取り出した。結構重かった・・・。
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実習終了後、買い物して帰宅する。
あー、また仕事だ・・・。
今日の一曲
Satin Doll (オスカー・ピーターソン「プレイズ」より)
スタンダードに行きましょう。
10月28日(月)
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