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ダメダメ医学生の京風日記
by 伯耕
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■関西二都(随筆バージョン)
舞妓さんの顔は白塗りだったが手はノーメイクだったのもはじめて知った。
それにしても舞妓さんがこんな裏町のラーメン屋のカウンターにいた事のほうが
俺には驚きだった。舞妓さんがあの姿のままラーメン屋に来て良いのだろうか?
舞妓さんは「特製黒豚チャーシュー」を「麺固めネギ多め」でオーダー。
俺はそんな舞妓さんを横目で見ながら麺を啜った。
おそらく俺はこれから先舞妓さんを見るたびにこの光景を思い出すだろう。

京都は1つの都である。
東京、大阪に比べれば人口、街の規模ともに比べ物にならない中都市だが、
この街には比較の対象として扱ってはいけない、なにか絶対的なものがある。
古い町の名前から想起される歴史の重みからなのか、それともかつての
都としてのプライドがいまだに人々の中に残されているからなのかは判らない。
少なくとも、京都は自己完結した都市である。
俺はそんな街に住んでいる。

店を出ても相変わらずの蒸し暑さに包まれていた。
先斗町を三条大橋まで自転車を押して歩く。
幅2メートルほどの細い先斗町通りはさすがに人通りも少なくなり、
浮かび上がる小店の淡い行灯が行く道を静かに照らし出している。
木屋町通りとつながる細い路地を過ぎるたびに、
向こうの通りの喧騒が僅かながらこちらにも伝わってくる。
先斗町通りは夜の京都、歓楽街でありながら常に静の姿を伝えている。
道端のストリートミュージシャンの歌い続けていた曲が終った。
一瞬、周りの喧騒に囲まれた中に沈黙の真空地帯が出来たように思えた。
俺は人ごみで溢れかえる三条大橋に向け、自転車をこぎ出した。

今日の一曲

可愛いミーナ (桑田佳祐)

「東京」のカップリング。コカ・コーラのCMで有名な曲。

07月30日(火)
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