ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6218,閑話小題 〜「ディドロの後悔」
* 人生と消費
< ディドロはあるとき、緋色のガウンを贈り物としてもらっていたく喜んだ。
しかし、やがてガウンの見事さに較べて自分の書斎が貧相なのが気になり、
ガウンに合わせて家具も次々と買い替えてしまった。そして気づいてみると、
書斎は最新の家具に囲まれてかえって居心地悪くなってしまっていた…。
これはディドロの『私の古いガウンを手放したことについての後悔』という題
のエッセーだが、現代のある経済学者は、所有物の調和を求めて次々と物を
消費してしまうことを、この話にちなんで「ディドロの後悔」という。>
―
▼ これはマイナーの事例の話だが、プラスとして、知識と経験にもいえる。
この質量の総計が、その人の人生の幅だろうが。古いガウンを手放さずに、
使い続けるのも、最新の家具を揃えていく生き方も人生。
「フランス人は宝くじが当たっても、最高級の3つ星レストランには行かない。
行きつけの最高のワインを飲んで一番美味しい料理を食べる。それが一番、
心地いいから」と。
――
熊: 俺ならサシズメ「熊の後悔」になってしまうが… こんな後悔を、
一度でもいいから、してみたいよ。
寅: 御前のは「ヘドロの後悔」だね。貧乏だから、そんなことしか思えられ
ないんだよ。直に最新の家具に馴染んで、それが当然と思うんサ。
人間は環境の変化に適応するからね。
八つぁん: 例えば、テニスのラケットでも、「道具は最高品を買え!」って
いうじゃないか。至近の例で、私は40年前に、それに気づいて、TVだけは、
ソニーか、東芝などの上位機種に決めていた。TVって、家電メーカーが
総力をあげたテクノロジーの完成形だからね。それで茶の間の生活が大きく
左右するんだ。それにパソコンなど情報端末もだがね…
寅: 熊さんよ、その汚い服を早々、買い替えなよ。須らく「孫にも衣装」だよ。
熊: 金が無いのに、如何すれってんだよ。でも、俺って投げやりで、モノゴト
が長続きしないから、この様さ。
八つぁん: 居心地が悪くなるのは、貰ったガウンに合わそうとするからさ。
ガウンに合わせるのは書斎の本だろうに。ガウンの見事さに合わせた書斎、
私なら満足するがね。書斎って、男の砦だろう。熊さんには、それが無いね。
寅: 俺にもないけど、図書館が「俺様の書斎」と決め込んで、ある椅子を自分
の居場所にして、週に一度は、ドップリと異世界にトリップするんだ。
熊: 現実に溺れた詰まらない奴と思っていたが、そんな世界を持っていたんだ。
今の今まで気づかなかったよ。そこが俺らと少し違うんだ。そうそう、時々、
喫茶店で難しそうな顔をして本を読んでいる姿を、何度かみていたがね。
八つぁん: 「ユニクロ」が、「ディドロの後悔」を逆手に取った商法だろう。
10年前のカジュアルでも、新しいものでもコーデネートしても、違和感が
少ないだろう。それと、高いブランド品とも、何故か、しっくりいく。
今では世界のブランド品だからね。普段着だからさ熊さんもフィットする。
大家: 私だって、何気なく着ているんだよ。とにかく、安いしね。
それと恥ずかしいから最近はネットで買ってますよ。
八つぁん: ベンチマークが、マクドナルドだっていうじゃないか。
イタリヤでデザイをして、中国、東南アジアで製造し、日本を中心にして
世界中で売るグローバルのシステムを完成させたのだからね。
寅: 熊や、大家さんから、パリジェンヌまで、着れるんだからね。
八つぁん: 居間にある、イタリヤ家具。見た目には100数十万のと、遜色ない
けど、25万円で買ったの。5分の1だもの。 イタリヤ家具の専門店の親仁と
親しくなって勧められて。 イタリヤでデザインし、皮はイタリア製の物を
韓国に送って、木製部分と、組み立ては韓国産。(韓国は木製が得意の分野)
そりゃ、見た目も豪華絢爛、居心地は良いしね。
熊: また自画自賛ですか?
八つぁん: 露悪のつもりだけれど… 「上物を、中から下の上の値段で」と
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03月23日(金)
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