ID:54909
堀井On-Line
by horii86
[384414hit]

■6166,閑話小題 〜キツネとハリネズミ −3
     * 熊さん、寅さんを加えた対談
 また、熊さん大家さんだが、何か4人が出てくると、話がスムースになり、
単純化するので… それと内なる友達と雑談しているようでホッとする。
そこで、「キツネとハリネズミ」と、熊さんたちと対談させたらと思い
立った。 が、案の定、やはり、不自然になったが、辛うじて物語になった。
――
大家さん: 私を司会に、キツネとハリネズミの対談の進行をあい至すことに。
  これだけでは、話がギクシャクするのは目に見えているので、助っ人に
  熊さん、寅さん、八つぁんに加わってもらう。
熊さん: 何で、俺なんだよ。今回だけ、実際の熊になったつもりで話すよ。
大家さん: そりゃ困るよ。あんたは呆けの熊だからこそいいんだよ。
  ところで、コンさんよ。エライところに引合いに出されたね。
キツネ: 大たい、人間様はオイラに良いイメージを持ってないね。子狡いとか。
  何でも餌にする雑食の奴とかね。
ハリネズミ: オイラなど、敵がくると丸まってさ… 食肉動物の子供がまず
  私の針の犠牲になるのさ。この前など若いライオンが余程腹が減ったのか、
  執拗に絡んできてさ。前足二本と、額に何本も刺さってさ。駄目なのを知ら
  ないでさ。 行動範囲の小ない専守防衛の代表格として引合いに出されてね。
  実際に動くのは嫌いでね… それにしても神様は、何でこんな針を…
  メスには、何時も手こづっているよ。余程、機嫌がよくないと絶対無理。
寅さん: 分かるわかる。
熊さん: 若いうちは、気にいった女性が近くにくると緊張してさ、気持ちと
  裏腹でハリネズミのように全身から針が立つような状態になってさ、困った
  ものだったよ。
ハリネズミ: 時々、キツネさんが羨ましくね。行動範囲が広くて、調子と愛想
  が良くてさ。
キツネ: いや、餌探しだけでヤットなの。その上に、他の野獣の餌になる危険が
  あるし。特に猛禽類が何処から襲ってくるか分からないしさ… 両親と兄とも、
  奴らに何処かに連れていかれ行方不明さ。 ハリさんのように、誰も見向きを
  しないで、日々を楽々生きているのを見るにつけ…羨ましい限りだよ。
  自分がいま、生きているのが不思議なくらい。だから面白いのもあるけどね。
八つぁん: まあ、互いを羨やんでも仕方がないよ。そう生まれてきたことが、
  宿命として早く受入れるんだね。 例えに使われただけさ。
大家さん: でもね、こと人間に関していうと、自分の武器の利点を知らなすぎ!
  もっと知っておくべきですよ。それを熟知すれば、それぞれの弱点をカバー
  出来るしね。
寅さん: ハリさんは行動範囲が狭いことと、ノロマなことが欠点だね。
  コンさんは、空の猛禽類の攻撃が命取りになる。そこで、岩場などで襲われ
  そうになった時に、岩を背にしてハリさんを盾にするとか。 猛禽類は、
  よほどエライ目にあったのか、ハリさんを見ただけで近くにこないからね。
  キツネは雑食だから、広いテリトリーの餌場を知っている。だから補完すれば
  いいんだよ。
八つぁん: 人間の成長とは、ハリネズミと、キツネの掛け合わせたように進化?
  していけば良いんだろう。人間は、10代、20歳代までは、ハリネズミ的で、
  成年期に向かってキツネ的要素が強くなっていくんじゃないか。それを成長と
  勘違いする間違いに気づかない。
大家さん: 確かに、その通り。小難しいことをいうと、実存主義と、構造主義
  の違いということになる。
熊さん; なるほど、身体の構造が違うから、構造主義ですか?
大家さん: そう言われれば、その通りだ。
八つぁん: 顔かたち、容姿が整っているだけで、人間の評価が違ってくる。
熊さん: そうだよ、付いているのは同じなのに。
寅さん: その上に、親の貧富が、そのまま、運命というより、宿命になって
  しまう。運命は変えられても、宿命だけは、どうもこうも。
八つぁん: 確かに、神様(自然)は、人間を不自由に、不平等にして、憎しみ

[5]続きを読む

01月30日(火)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る