ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5959,閑話小題 ―帰りの宇宙船内で 〜5 人生の元をとったかい
* 人生の元をとったかい
ふと気づくと、学生時代の友人だったAが、隣に座っていた。30年前に
脳梗塞で亡くなった男だが、突然の死で、当分の間、成仏できなかったようだ。
開口一番『人生の元を取ったかい?』と問うてきた。
A君が言うには、
『人生の最も美味しい時節の前に、突然終えたのは残念。成仏出来ないまま、
見えていた情報化時代と、ソ連と東欧の共産圏の崩壊の時代に立ちあえた君ら
が、羨ましい限り。あと、老いた父親から強引に実権を取ったことも。』と。
ここでは故人の愚痴の聞き役になっていた。幸せを絵にしたような男だったが…
『堀井な〜。生きている内だよ人生は。それも日常の平凡と、それとは別の
非日常でトリップする経験の組合せを、楽しむことを心掛けることだよ。
それと、孤立でも、孤独でも何でもいい。自分を閉じ籠めて、暗闇の漆黒を
味わうことだよ。そうした分、外の世界の輝きが違って見えてくる。地球は、
広く、深いと、つくづく思うよ。地球は極上の観光名所であり、そこには、
地球自身がつくり上げた大自然と、人間のつくり上げた文明・文化もある。
それらと可能な限り、触媒し、直感し、味わうことだよ。自分は現実に
溺れ過ぎて、一番大事なこと、平凡の日々と、トリップして現実から離れた
時空を味わうことが、あまりに少なかったよ。』 といって、消えていった。
フッと気付くと、宇宙船が消え、宇宙の漆黒の中、魂だけが独り漂っていた。
30年前に、新潟駅前で事業をしていた時の不動産屋社長で、町内会長だった
酒友で古町を月に一度、10数年、飲み歩いた人と、私の母親の二人への質問
と同じだった。二人とも、「よくぞ聞いてくれた」と?、急に顔色が輝き
だしていた。 老いるに従い、「人生、これ果たして良かったか、悪かった
のか」の自問自答が深くなる。良し悪しとは別に、充実した人生かは、本人
の心の問題になる。2人とも、『とったとった充分とった!』であった。
2人とも、当時70歳後半だった二人の共通点が、何れの時点でも人生を
楽しんでいた。太平洋戦争の最中、何とか家庭を支えて生き抜いてきた。
その質問を、学生時代の友人が、私に質問をしたのには驚いた。そして、
私の答えも同じ『充分とった!』。
★ 後記= で、偶然だが、以下に続いていく。あの世だけでなく、娑婆も
漆黒の闇である。 偶然にしても、少し気味が悪い…
・・・・・・
5594,夫に死んでほしい妻たち
2016年07月09日(土)
<「夫に死んでほしい妻たち」〜小林 美希(著)>
TVで、朝からシリアスなテーマ、『夫に死んでほしい妻たち』の特集を
組んでいた。この本をベースにしたのだろう。インタビューをした二人に一人
の割りが、夫に死んでほしいと切に願っていたという。
団塊の世代が定年に入った現在、各家庭内は、その確執で大揺れ。
「昼間の間だけでも、家から出て行って!」と言われ、行くところといえば、
図書館、公民のSJ、SC、ツタヤの徘徊か、あとは散歩。といえば、私の日常
に幾つか重なるが、私といえば、家では、居間の外に、書斎コーナーのある仏間
と、寝室のTV前のベッドがネットや読書の空間に丁度よいので助かっている?
何もするでなし、居間でゴロゴロしている夫に妻は辟易、その行き着く先が、
「死んでほしい」と、心から願うのは自然の摂理。そこで、TVのテーマその
ままの「夫に死んでほしい妻たち」を、ネット検索して出てきたのが、この本。
最初から終わりまで息がつけないほどシリアス。ことは、深刻である。
アマゾンの〜内容紹介と目次〜より
―――
■内容: 家事や育児において、妻の「してほしい」と夫の「しているつもり」
の差は、想像よりもはるかに大きい。のみ込んだ怒りが頂点に達した妻の抱く
最後の希望は「夫に死んでほしい」…。 毎朝子どもを保育園に送る。
週に一度は料理をつくる。それだけで自信満々な夫を、妻はどう感じているか?
やがて、怒りを爆発させることにも疲れた妻は、一人つぶやく。
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07月09日(日)
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