ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5809,どうして私たちは、こんなに頭が悪いのか
『困難な成熟』内田樹 著
* どうして私たちは、こんなに頭が悪いのか
人生を振返って、私は何故に、かくも頭が悪いのかと実感する。
そのことを知っているは、むしろ他者。しかし、その他者も、第三者から
見れば全く同じことがいえる。 現状とは過去の頭の悪さの集積の結果。
そう思うと諦めもつくが、問題は、その自覚を万人が持っているかというと、
そうではない。 だから他者の失敗をあげ諂い、「あの男、あまり頭が
良くない」と平気で宣う。 〜その辺りを抜粋〜
・《 現代日本社会の制度的瑕疵のほとんどは「想像力がないので、
先のことは何も考えずに来た」ことの帰結だろうと僕は思います。…(略)
この社会に格差はあります。資源の分配についてのアンフェアはあります。
さまざまな理不尽がある。でも、それは誰かが自己利益のために工作してそう
なっているわけではない。それは無数の「頭の悪さ」の集積なのです。…(略)
むしろあまり深く考えなかったせいで起きたことが無数に集積して、
「こんな事態」になっている。僕はそう思います。》(179〜183p)
さらに、
・《自分が選択したこと、自分がやっていること、自分が考えていることの適切
さについて第三者的、価値中立的な視点から吟味できないことを僕たちは
「頭が悪い」と言います。そして、第三者的、価値中立的な視点から自分自身
の推論や判断を吟味するというのは、言い換えると「自分の頭の悪さを点検する」
ということなのです。…(略)》(184p)
《「あ、オレ間違ったわ」とすぐにフィードバック」しなさいということ…(略)
「自分は頭が悪いんじゃないか?」という疑問に捉えられて、…(略)
常日頃から考える習慣をつけていると、「大きな間違い」を犯すリスクが
軽減される。それだけのことです。》(185ページ)
――
▼ 私たちの頭の悪さを、想像力の無さが起因すると著者はいう。意外と、
この事実を多くの人は理解してない。小説を読むことは、文字を通して作者の
物語の世界を想像すること。本を読むことは、想像力を培うため、必要になる。
ここで、〖20世紀、アジアアフリカで、欧米の帝国主義諸国を武力で放逐して独立
を勝ち取った革命政権のうち、奪還した資源を公平に分配することに成功したもの
は殆どいなかった。さらに植民地官僚より激しい収奪と独占を許した。』という
厳正な事実がある。20世紀の大殺戮が21世紀に繰返される可能性が無いものと、
思いこんでいるが、これもイメージ不足。人間は虚空の中の、小さな小さなチリ
の存在でしかないを頭では知っている。しかし、そのイメージが出来ないその
ことが人生を貧弱にしている。 それが、<どうして私たちは、こんなに頭が
悪いのか>の答。あの大統領が、その全てを表出している。無知は罪である。
それも重罪である。そして、自然によって間接拷問の後に、死刑に処せられる。
その前に、治療いう名目の毒薬を長年かけ盛られ、薬漬けされたのも知らず…
・・・・・・
5443,小学校担任の西澤先生への手紙
2016年02月09日(火)
小学校の担任だった先生から『自分史』が送られてきて、一ヶ月、何とか、
『自己を見つめる』渡邊二郎(著) と一緒に、礼状を送る段取りができた。
達筆な先生に、悪筆の手紙を出すのは気が重いため、何とか故障していた
プリンターを直し、パソコンで書き上げた。
職業軍人の父を持つ、戦中派の典型で、恐ろしい先生だった。
何度か頭を殴られたが、先生から殴られたのは、西澤先生を含め二人だけ。
去年9月に米寿をむかえ満87歳。奥さんに十数年前に先立たれ、現在は
私の自宅から10分ほどの川崎に一人住まいで、目の前の川崎小学校の
校長に息子様がなられており、やはり御近所に住まわれている。
長岡出身の父親は職業軍人で、昭和9年に姫路高等学校の教官になられ、
先生の幼少期の11年を、姫路で過ごす。姫路中学校、陸軍経理学校、
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02月09日(木)
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