ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5733,なぜ本を読むといいか? 〜@
<本を読む人だけが手にするもの>藤原和博著
* とにかく乱読でいいから、読みなさい
今さら読書効果論でもないが、著者は平易に、丁寧に、解明している。
背表紙の説明文に、『これからは、身分や権力やお金に‘階級社会’
ではなく、「本を読む習慣がある人」「そうでない人」に二分される
‘階層社会’がやってくる』と述べる。
情報化社会では、膨大な情報の中から、選択し、読み解く力が必要。
「本を読む層の人」は、「本を読んでない階層」の人を直ぐに識別する。
教養のあるなしより、「読んでる層、読んでない層」の階層分類の表現
の方が分かりやすい。私のように半世紀以上、欠かすことなく毎日、
読書を続けても、教養が身についたかと問われれば、返事に窮すが、
「本を読む層か」と、問われれば、イエスといえる。
〜まず目に付いたのが、以下の内容〜
≪ ・‘ヘビー読者層とは月に3冊以上読む読者と言われる’
ヘビー読者層が全国に1,654万1千人いるが、この人達がライト読者層と
共に出版業界を支えてきたと言ってもよい。
・ ‘両親が読まないと子供も読まない’
全体で『読まない』と回答した比率が46.1%で、年代別で目立つのは
10歳代と60歳代以上。本当の本好きと考えられる『5冊以上読む』と回答
している人の比率は60歳代であろうと10歳代であろうと年齢層でも大きな
開きは無いことが読み取れる。『朝の10分間読書』や『本の読み聞かせ』
などで、読書の楽しさを知って もらおうと全国の小・中・高校で取り
組んでいるが、これらの読書運動は、やらないよりはやった方が良いが
アンケートでは、両親が読まないと子供も読むことが長続きしないとの
結果も出ている。『子供は親の背中を見て育つ』と言うくらいで家庭の
習慣が良く出てくると言われている。 ≫
▼「読んでいる人」は「読まない人」を直ぐ識別するが、読んでない人も、
識別されていることに何となく気づくが、その意味の深さを理解できない。
知的コンプレックスを持つが、次の段階の読書習慣を持つことなく一生を
終える。世の中には言葉の持つ重要性が理解できない人が多く存在する。
なぜ出来ないか? 読書の習慣化で言葉を読みとく能力を持たないため。
「聞く力」と、「話す力」のベースが、読書にあることに気づいてない。
著者は、そのことを明快に提示している。次回から、各章単位で考えてみる。
・・・・・・
5368,世間、社会、会社の意味とは ーB
2015年11月25日(水)
ーなぜ日本人は「世間」を気にするのかー三浦朱門著
* 日本の世間は稀有な条件下で育まれた人間関係である。
自然発生の「世間」は馴れ合いで、「社会」は厳格な原則がある。
その辺りが、分かれ目となる。日本は島国で、異種混合が少ない世界。
そのため、「郷に入っては郷に従え」の馴合いになっていく。
≪ 世間というのは、馴れ合い同士の人間的つながりが、社会というのは、
一定の利害を共にする人間集団で、そこでは個々人の思想や行動の自由、
あるいはメンバーの行動規範の違いが前提となっているといってよい。
日本の世間は、千年余にわたって外国からの侵略もない、海に囲れた地域の
中で育ってきた人間関係。
しかし社会とは、歴史的にさまざまな過去を持ちながら、たまたま利害を
共有する面があって同じ地域で一緒に生活する、といった人間関係です。
そこには他者と自分の間にシキリを設けるというか、あくまでも他人と自分
との間の越えてはならない障壁があることが前提となっているようです。
世間には、人と人を隔てる障壁があろうとも、それを取り除こうとする
動きがあるように見えます。そのような形で、人と人を結びつける世間ですが、
それは無限のものではありません。具体的には、外国人に接するとき、日本の
世間の延長のつもりでいると、相手は妙な顔をするし、第一、言葉が通じません。
岩手の人と鹿児島の人は、自分たちの日常の言葉では意味の通じないことが
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11月25日(金)
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