ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5709,つれづれに哲学 〜「イリヤ」について
  * レヴィナスの、「イリヤ」について
 収容所から生還したレヴィナスの知人・親戚縁者の殆どが殺されていた。が、
世界は、そのまま、何事も無かったように存在している、その不思議と恐怖。
それを「主語無き存在」と語る。二人称の消滅した世界も末恐ろしいのだろ。
80歳半ばにもなると、同年代が次々と亡くなっていく恐怖に似ているのか。
≪ 【ハイデガーと対決したレヴィナスは、「存在」について、いかなる
 存在者も存在しないが「この存在者が存在しないという無」それ自体は
存在するとし、存在者なき存在を「il y a」と表現した。
存在について、ハイデガーは「〜がある(独語:es gibt〜)」を用いたが、
レヴィナスは「〜がある(仏語:il y a〜)」を用いて語ろうとした。
 ハイデガーの「es gibt」は「それが与える」という意味の他動詞。
一方、レヴィナスの「il y a」は「それがそこで持つ」という自動詞。
ハイデガーが指摘した「存在者(あるもの)」と「存在(あること)」
という区別を、レヴィナスも踏襲はするが、その時、「存在」が「存在者」の
述語となっているので、「存在」のより根源的な意味が見て取られていない、
とレヴィナスは批判する。レヴィナスがここで考えるのが「存在者なき存在」。】
 ヤスパーは、ユダヤ人だったレヴィナスの妻など、親戚・知人の殆どを
ナチストに殺される。辛じて強制収容所から生き延びたものの全てを失う。
それでも、なお、世界はそのまま存在している…。
何が存在しているのだろう。レヴィナスは、このような主語無き存在を、
「イリヤ」と呼んだ。自分中心の世界を創り上げれば、イリヤの孤独から逃れる
ことが出来るのか。いや、できない。それは、自分が知っている範囲で世界を
構築しているため。その恐ろしいイリヤから、抜け出せる道を、
「他者の顔に、その道を見いだす」とする。≫
▼ 死に直面すると、「自分の死後も、世界は何事もなかったように
 動いていくことが奇妙に思われ、それが恐怖心を呼起す」という。
それと、この世で遣り残した事と、残していかざるをえない家族と財産。
「あ〜、何で物でなく、事にしておかなかったか。事なら持っていけたのに!」
誰もかも、何も持たずに生れてきて、何も持たずに死んでいく。
レヴィナスの考える、<「存在者なき存在」> の自らの体験。絶対孤独の
世界の恐怖が、死に向かう人たちの共通の感覚だろう。 で、以下につづく。

・・・・・・
5344,自殺っていけないの? 〜身の下相談
2015年11月01日(日)

身の下相談にお答えしますー上野千鶴子
   * 自殺って何でいけないの?
 〜問い: 自殺は本当にいけないですか 〜相談者無職男性50代
≪50代の無職男性です。自殺について相談します。自殺者は13年連続で
年3万人超と報道されています。世間一般的には自殺は良くない、弱い人間の
することだという暗いイメージができあがっています。どんな理由があっても、
自殺は絶対にいけないと言います。でも私は、自殺を正当化できないか、後ろ
暗いイメージを残さないで自死できないかと考えてきました。人に迷惑をかけ
ない方法で自殺するとしても、本当にいけないことでしょうか。将来性のある
小学生や中学、高校生の若い子たちが、いじめが要因で自死を選ぶのは肯定
できません。でも私のように50代で無職、独身、今までにやbたいよにや⊃て
きたし、親しい友人や知人もいないし、兄弟親戚もいないなら、遺族となって
悲しくつらい思いをさせる人たちもいません。特にこだわることも無く生きて
きて、年金保険料は25年以上納めました。私が年金支給年齢に達する前に自死
を選択すれば、国から支給されるはずの年金は国庫に戻ります。将来の年金を
支給するための財源として、消費税の増税をしようとしている政府にとっても、
私が自死すれば負担は軽くなり、究極の社会貢献だと思います。
世間一般的に言う将来を悲観しての自死ではなく、明るく前向きな自死だと
私自身は思うのですがいかがでしょうか。≫
≪ 答え: 正直に弱さを認めましょう

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11月01日(火)
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