ID:54909
堀井On-Line
by horii86
[383449hit]
■5694,閑話小題 〜近くの従兄の通夜で
* 東京の下町に住む、万年青年との久々の出会い
子供の頃、ある従兄が度々、東京から自家に泊まりがてら遊びにきていた。
私より15歳年上の85歳。カメラが趣味。子供の頃に撮ってもらった時々の写真
が何枚か残っている。この写真の存在はメルクマールとして大きな財産である。
第二次大戦で、一度、長岡に移住し、その時に、私の父が、あれこれ面倒をみて
くれたことと、4人の姉たちの存在もあったようだ。
会席で故人の父方系は二人だったこともあり、駅の見送りまで御一緒
させてもらった。 出会って、開口一番、
・『私は前立腺ガンで、進行しているが、今のところ小康を保っている。
家内が5年前に膠原病で倒れ、現在、老老介護の状況の中で何とか参列した。
弟の連れも、やはり膠原病で、二年前に亡くなったが、家内は、お医者さん
の選定が正しかったようで、何とか・・』 と曰く。
自営業をしてきて、時々、転業をしていたが、特許をいくつか
持っていたため、常に生活は安定してきた、という。 昔から若々しい
万年青年で、常に躁状態。今回の参列は、命がけのようで、
一期一会の感が強かった。 当人の話は延々とつづく。
・『現在、4kのビデオカメラに凝っていて、4台の機種を持っている。
この良いのは、ビデオの映像の一番良い一瞬を、後で切取りが可能なこと。
撮った映像を、大型の4kTVのをみて、ベストの一瞬をとらえ切取りが可能。
アマチュアのカメラマンとして、この機能は夢のようである。』と。
通夜の会場と、オトキの席と、長岡駅前の居酒屋の席では、ホボ話しっぱなし。
まだまだ、話はつづく。
・『あと、10年前に生まれていれば良かった。今世紀に入ってから今までの
変化を見ると、これから10年間の変化を体験したい・・ しかし後は少ない。
今は、ドローンにカメラをつけた空撮が目標。空からの4kの自分の撮った
画像を見てみたい。 それと、生前葬をしたい。骨拾いの箸を見立てた二本の
杖を両手に持って、顔はペイントをし、死に衣装を着て、参列者の前に現れる。
考えただけで楽しい。・・』と。
老老介護の現実から解放されて、その抑圧からのハイ状態のよう。
カメラの趣味をメインにし、現在は4kビデオに辿りついた85歳の万年青年。
「干乾びた若き万年老人」の多い地方都市では、こういう人物はできない。
こういう人と接するにつけ、地方都市の光と影を感じる。
・・・・・・
5329,自由とは幻想でしかない?
2015年10月17日(土)
ー クオリア再構築 〜島田雅彦:茂木健一郎対談集
* 自由とは幻想でしかない
自由に対する脳科学者の「自由とは幻想でしかない」の切口が新鮮である。
現実に、囚人の自由に対する希求が果たして幻想か否か、何かから解放された
時の自由の実感が幻想かどうかは、解釈による。思いもよらない大自然の神秘
に触れて感動に打ち震えた開放感を何度も経験してきたので、その魂の自由も
幻想といわれても、何か納得ができない。 〜その辺りから抜粋〜
≪ 茂木:今となって、大変シリアスな問題は、「自由」とは何かということ
だと思うんです。自由競争の自由とは何なのか。そこに恐るべき深淵がある。
単純なことではないですよ、自由って。脳科学の立場からいうと、自由意思と
いうものは幻想としてしか存在しない。むしろ決まっているんです。
何かアクションを起こそうとする前に、無意識のプロセスでは選択肢はすでに
用意されてしまっている。アクションを起こすタイミングも決められている。
決定論的なんだけれど、意識を持っている「私」から見れば、自由意志がある
ように見えるというのが我々の公式的見解。自由というのは幻想なんです。
そこには枯れ尾花しかない。では自由競争、自由資本主義というのは何だろうと。
そもそも概念からして矛盾を含んだ用語です。にもかかわらず、いまだに多く
の人が、特にアメリカでは、自由競争やフリーダムをとても大事にしている。
島田:フリーダムとか個人主義とかね。個人主義はある特定の個人が儲ける
[5]続きを読む
10月17日(月)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る