ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5725,技術的特異点 〜B
捉え、それらから家を建てている。彼らにとって、都市は鬱屈したコンクリート
ジャングルでなく、資源ゆたかな世界に見える。 坂口は、廃棄されるゴミを
山や海の幸のように〈都市の幸〉と名づけた。彼らは“都市の幸”で暮らせば、
政治、経済、労働、あらゆるものから解放され、自分自身にしかできない
生活を獲得している。
ー以下の文章はアマゾンの書評だが、なかなか考えさせられるー
*「アルミ缶拾いは他人よりも先に拾わないといけない生業なのに、達人たち
の話を聞くと、みんなあまりガツガツしていないことに驚かされる。ようするに
焦ってはダメなのだ。採集したあとは周囲を掃除する位の心の余裕が必要だ。
そんな姿を見ている人がいる。それが次の顧客の出会いにつながる。」(p.68)
*「高い解像度で都市を見ることができるようになったきみは、社会のルール
を何一つ変えることなく文句一つ言うことなく、独自の生活をつくり出すことに
成功する。・・ 社会システムは、いくら変化させてもまた同じ循環を繰り返し、
人間を苦しめつづけるだろう。それよりも まず、きみの精神、視点、創造性を
変革させるのだ。 ・・<都市の幸>で暮らすことは、きみが起こすことの
できる唯一の革命なのだ」 (本書P148)
*「路上生活者支援に積極的なのはキリスト教会であり、それに比べて
仏教寺院の多くが冷淡なのはどうしてか?」
   ーこの対談の最後に坂口と養老の言葉がよい。
 坂口:意外だったのは、「都市型狩猟採集生活の民」たちが、激増する
自殺に危惧の念をもっていたこと。彼らは、「自殺する前に、なぜうちの
バラックのドアを叩きに来てくれないのか?」という。うちの手伝いに来て、 
アルミ缶を一緒に拾ってくれれば、金なんかなくても生きていけるのが
分かるのに、なぜ相談してくれないのか、と。 人生を失敗し、すべてを
失ったと思っても、絶望して死を選ぶ必要がない。「どん底に落ちたら、
とりあえず周辺を歩け。歩けば何でも見つかる」と、住民の酋長といわれる
男が言っていた。養老:身体を使うことは大事。私が好きなイタリアの
箴言に「どん底に落ちたと思ったらそこを掘れ」って。
▼ 日本にトレーラー・ハウスの住人が少ないのは、公営住宅などが揃って
 いたり、生活保護などの支給があるからか。それにしても、ホームレスの
仮設住宅?に合理性を見出すとは、感心させられる。カラスも雪国でチャンと
冬を越せる。何か無駄なものを人間は持たされてしまったのではないか!
立って半畳、寝て一畳というが、老後の心配で節約など・・

11月17日(木)
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