ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5565,閑話小題 〜にほん縦断こころ旅 〜③
【「老い」を嫌悪する時代そのものを問う! 今後、ますます高齢社会を
迎える中、「老い」をどのように捉えればいいのか。「老い」を拒絶し嫌悪
する時代に、歴史的な背景から団塊世代の問題までを多角的な視点から論じ抜く。
高齢社会・日本において、いま考えるべきは「老い」の技術と思想だ。
団塊の世代の問題、老人は過去にどのように処遇されてきたか、老化を忌避する
社会の今後の展望 …誰もが避けられない「老い」をテーマとして、歴史的な
経緯から今後の展望まで多面的に捉えている。】
ー世代内格差についてー
≪一般的に老いは、現役時代の収入・資産状況の結論が出て、それが固定化
される現象であるから、老後には、現役時代に拡大した格差は固定された
ままで、リベンジがきかない。とくに、老後の生活水準では、企業年金を積み、
退職金の高い企業に勤めていたひとと、そうでないひととの間での格差が歴然
とする。 ・・・ 団塊世代では蓄えも退職金も世代内格差が大きいという
団塊世代を対象としたアンケート調査もある(『日経新聞』2006年1月8日)。
金融資産が500万円未満が34・4%、500万〜1000万未満が19・2%、これでほぼ
半数を超える。退職一時金も、「なし」が25・6%、500万円未満が22・8%で、
半数近い。言うまでもなく、団塊世代の多くのひとが、退職後も生活のために
働かなければならないと答えるのはこの事情があるからだ。つまり、日本社会
全体の「希望格差社会」(山田昌弘)、希望の持てる階層と希望を喪失した階層
とへの分裂社会への移行を、膨大な高齢層が集中的に表現することになるわけで、
団塊世代の場合、シニアデバイドは、世代問題、人口問題、収入階層問題、
という3つの次元の交点に現れる、歴史的に一回限りの、新種の階級問題である。
また、この団塊世代に始まる世代内格差は、団塊世代のあとにくる世代にも
継承拡大されていくことが予想される。≫
▼ 団塊世代の「金融資産が500万が三分の一の、過半数が1000万未満。
退職金無しが四分の一、500万未満が半数。」という現実も厳しい。
これで20万そこそこの年金では、ギリギリの生活になる。この年代はバブル期に
良い思いをしたため、その段差は大きい。それでも半数は一千万以上の金融資産
があるし企業年金も入る。そのため現役時代の格差が、そのまま延長される。
国家衰退は、個々人に直撃する。
06月10日(金)
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