ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5559,フーテンの寅の、本質と家族の幸せとは 〜①
とわたしは思っていたのだった。 だが、世の中にはまことに嫌な法則がある。
嬉しいことや楽しいことに我々の感覚はすぐに麻痺してしまうのに、不快なことや
苦しいことにはちっとも馴れが生じない、という法則である。不快なことや苦しい
事象は、砒素や重金属のように体内へ蓄積して害を及ぼすことはあっても耐性は
できないものらしい。 だから老人は欝屈していく。歳を取るほど裏口や楽屋が
見えてしまい、なおさら難儀なものを背負い込んでいく。世間はどんどん
グロテスクになっていき、鈍感な者のみが我が世を謳歌できるシステムとなり
つつある。・・・老いても鬱屈や煩悩は蓄積していくばかり、難儀なことには
事欠かない。しかし遅かれ早かれ、この世界のほうを、さながら迷子みたいに
置き去りにしてやれるのである。・・・ ≫
▼「嫌な法則がある。嬉しいことや楽しいことに我々の感覚はすぐに麻痺
するのに、不快なことや苦しいことにはちっとも馴れが生じない、という法則
である。」は、正に人間の不幸の起因である。それを打ち消す方法は数多あるが、
その毒は体内に蓄積し、さらに体外に放出する。そして、マイナスの循環で、
体内の毒は、ますます濃くなっていく。この本は、その見本帳でもあるため
面白いのである。これまで見てきた身近な老人に、酷似しているため妙に馴染む。
そして本格的に一歩ずつ仲間入をしていく。それならば老いは鬱屈するものと
初めから割り切って孤立していた方が良い?
06月04日(土)
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