ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5480,人生で最も大切な技術 ー30 人生を豊かにするために死を心に刻む 
若い人たちや、日本国家を考えると、絶望的になるのは当然のこと。 
まだ、発生より6日目でしかない。
・・・・・・・
3278, 哲学者は神について、どのように語ったか ー6
 2010年03月17日(水)
  * ニーチェの「ルサンチマン」
 「財力や権力より、魂の美しさに価値があり、他者を愛し、他者のために
尽しなさい。貧しき者は幸いである。」と説くキリスト教。 その道徳も、
弱者の自己防衛にすぎないと主張したニーチェ。弱者同士が欲望を否定し、
弱者同士が慰めあう考えに矛盾を感じ「死後の天国」という幻想のため善行を
積むことを「奴隷の道徳」と否定、天国のことを考え、この世の生を否定する
ことを、死への意思と非難した。神、天国が幻想と暴いたニーチェは
「神が死んだ」と宣言をした。宗教そのものが弱者がつくり出した幻想と
堂々と当時、言い放ったのである。キリスト教を教会も、権力者も、弱者を
「貧しきものは幸いである」で、納得させるに都合が良かったのである。
彼は人間の生の原動力を「力への意志」と考えた。誰も自分をパワーアップ
して生きたいもの。しかし、大部分の人は挫折をし恨みや憎悪(ルサンチマン)
を抱えて、小さく生きている。要は、この世の生に向き合わず、宗教のいう
天国や来世を幻想して生きるのである。その幻想をキッパリと捨て去り、
今の、この世を生きることを肯定せよと主張したのである。神が死んだことで、
神によって規定されることなく、無限の可能性を持ったともいえる。
キリスト教で絶対的な神は、人間を創造する存在だったが、しかし、神が
死んだことで、人間こそが真の創造者になった。人間は何を創造するか
というと、「超人」である。超人とは、「人間は神なしですませる為に、
勇気、頭脳明晰、自負、独立性と苛酷性を持った人間」である。超人は、
そうした強靭と知恵とを持って、その生を生きます。生の苦痛に耐えて、
それを肯定することは、自分の運命に堪えることになる。悲惨でも、その
「運命を愛すること」のみが必要にとされるのである。人間は、「生まれ、
生きて、死んでいく」、この意味のない有為転変が永遠に続くだけだが、
自分に与えられた運命を良く生きることで、この永劫回帰の苦痛を克服できる
のである。各々の運命を愛しながら生きることが大事なのである。
一応、彼で近代が終わったといってよい。権力者や、それにつながる聖職者
にとって大多数の弱者をコントロールするに宗教ほど都合良いものはない。
ヨーロッパ人が、アフリカやアジアに進出する前段階に、キリスト教の普及を
したのは、そのためである。アーリア人がインドを占領し、ヒンズー教を
つくり、カースト制度を植えつけたのも、それである。

03月17日(木)
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