ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5378,閑話小題 〜独身世帯の半分、全体の3割は貯蓄ゼロ!
できた大きな血痕がまだ残っている」と当時の生々しい情景を伝えている。
トロイやミュケナイの遺跡を発掘した天才児シュリーマンを知らぬ人はなかろう。
元々ドイツ人であるが、強運と天才的な商才にめぐまれ、ロシアで巨万の富を築いた。
少年の頃からの夢を果たすべく、41歳で全ての経済活動かを止め、世界漫遊の後、
古代遺跡の発掘に取り組んだ。
・ このシュリーマンが巡り会った清国と日本、それは全く違う国であった。
彼は横浜に入った時、子供を背負った女などの乗った無数の小船に取り囲まれて
いないことに気づき、日本に到着したと実感した。中国では、物売りの小船に囲まれる。
しかし陸まで運んでくれた艀の船頭の請求金額の余りにも控え目な額に「これでは
ぎりぎりではないか」と大いに驚き、褌と入れ墨で働く日本の労働者の律儀さを体感する。
更に、税関の役人である武士の清廉さに出会って、彼の日本人好きは決定的になる。
役人は彼の荷物の開披を求めた。彼はこれを免れようと役人に金を渡そうとする。
役人は、「自分は日本男児であるから、心づけに吊られて義務をないがしろするのは
尊厳にもとる」とその受け取りを拒否した。 にもかかわらず、役人は最後まで礼儀正しく
好意的で親切。清国の税関での見聞に対比して、その違いにビックリするのが分かる。
以後、彼の日本びいきは最後まで一貫している。
・日本の民家のたたずまいから、家具の簡潔さ、畳と正座と布団の関係、公衆浴場、
髪結いから懐紙に至るまで子細に観察した上、「日本人が世界で一番清潔な国民で
あることは異論の余地がない」と断じる。 何日も持ち歩くハンケチよりも鼻紙の方が
清潔であるヨーロッパ文化に対する異論まで持ち出し、「家々の奥の方には必ず花が
咲いていて、低く刈り込まれた木で縁取られた庭が見える。
日本人はみんな園芸愛好家である。日本の住宅はおしなべて清潔さのお手本である」
と絶賛する。 =それにつけても、現在の日本は!と著者はいいたいのだろう。 つづく
12月05日(土)
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