ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5208,「自分」という言葉自体が「自然の分身」
  「うれしい定年 さびしい定年」ー 55歳からの賢い生き方ー北 連一(著)   
 還暦を過ぎてからの年賀葉書に、
「無事定年を向かえ、悠々自適の毎日を過ごしています」とか、地元のスナック
などで偶然あった高校時代の顔見知りに「いや〜サンデー毎日も疲れるよ」と
言われ、その意味も最初は分からず、解釈してもらって分かる次第。
特にサラリーマンを無事平穏に過ごしてきた人は定年後の日々を切り替えるのは
大変だろうと察する。私の知人は、殆どが現役なので、深刻な話はまだ聞こえては
来ないが、従兄弟などの親戚からは戸惑いが伝わってくる。群れから離れて奥さん
1人相手か、独りで生活せざるを得ない厳しい現実が起こる。そして、まずは
「老人性うつ病」が襲ってくる。これは抉らすと危ない。現在の私も少し
「うつ病」気味である? とにかくムカツク。いや、恐慌下の売上不振か。 
そんな折、先日図書館で、この本を見つけたが、切実さが直に伝わってくる内容。
具体的に定年後の人間関係、それも一番の難敵の奥さんとの力関係を取り上げる。
ヤット、会社の人間関係から解放されたと同時に、新たに小さな家での息の詰まる
ような関係。「定年退職後初めて人間になった」「毎日が正月」と喜ぶ人がいる
一方。「定年葬」と悲観に暮れる人もいる。 この本は「定年退職前後はこう
いうもの」と、飲み屋でグチを聞いているようで、いやに納得する。 
【 定年前に‘やっておいてよかったことは’料理ができるようになっていた,
遊び仲間がいる,ローンが終わっていた,書斎と書庫を持っていた,娘たちを
追い出したことだと吐露する。‘やっておけばよかったことは’,会社離れを
する前に,定年後のシミュレーションをやっておく,妻とのコミュニケーション
をとっておく,熱中できる趣味を持つこと、だという 】
 こういう人生もあるのかというような内容だが「定年の敵は女房だ!」という
人のケースなど、深刻な内容も赤裸々に取り上げている。8人兄姉の末っ子だった
ことや、親戚に多くの従兄弟たちの生き様がみえる立ち位置に居たことから、
「人生の敵(ミカタ)は女房」というのは深く肯けるが。その辺は、受け止め方
の問題ということ。 孤独に対する訓練を長年かけて訓練をしてきたかどうかが、
最大の問題ということ。それと、家庭菜園や読書などの独り遊びが出来るかどうか。
 それと「ハッピーエンドなど、妄想でしかないと、割り切ること」である。

06月18日(木)
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