ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6047,一億総貧困時代 〜読書日記 −1
モノゴトをじっくり観察すれば、何事も「嘘みたいな本当の話」になる。
問題は、気づくか気づかないだけ。だから精密に、奔放に観察するしかない。
そこに、奇妙に味わいが出てくる。「本当のような嘘の話」が、小説だが、
その間逆をショートショートで書くのだから、それなりの観察が必要だ。
・・・・・
4583, 2050年の世界 ー12
2013年10月03日(木)
「2050年の世界 ー英『エコノミスト』誌は予測するー」
〜英『エコノミスト』編集部(著)
第十三章 貧富の差は収斂していく ーのまとめーより
・格差は二つの格差を考える必要がある。すなわち、各国間の格差と、
それぞれの国の中での格差。
・各国間の格差は、一九九〇年代まで開く一方だった。一九世紀の最も富裕な
十ヶ国の一人あたりの所得は、最貧十ヶ国の六倍にすぎなかったが、二〇世紀
の最後になると、最も富裕な十ヶ国の一人あたりの所得は、最貧十ヶ国の
四〇倍を超えるようになった。これは、北米と欧州の経済成長がこの間急激で、
他の地域が停滞していたからである。
・一九七八年の中国、そして一九九〇年代初期のインドの経済改革の開始が各国
間の所得格差解消への転機となった。一九九〇年以降、新興経済国の大多数
がアメリカより急速に成長し、キャッチアップのペースが上がってきている。
・そして今後も、欧米や日本などの国々が高齢化による財政の悪化に苦しみ、
低成長を余儀なくされることを考えれば、出生率が高く人口の配当が大きい
アフリカを含む新興経済国との差はますます縮小し、世界的な規模での
貧富の差は縮小する。
・しかし、一九九〇年代から先進国を中心に起こったのが、国内における
格差の拡大。アメリカのジ二係数は一九七〇年代中期の○・三一から、
現在○・三八まで上昇している。ドイツやスウェーデンでも国内の格差は
広がっている。その理由に共通しているのは富裕層がかってない規模の収入
を得るようになってきていることだ。
・富裕層の所得が爆発的に増大した理由に、トップ層の職業の収入が
グローバル化による市場の拡大で増えたこと、そして金融業の異常とも
いえる肥大化があげられる。
・ただし、こうした国内の貧富の差の拡大を上回る速度で、世界の途上国の
経済拡大が起こり、それらの国々に住む人々の所得が増大するので、全体
としては、世界的な規模で貧富の格差が縮小する。
・全世界の中流階級集団は、現在の五億人未満(世界人口の七%)から、
二〇三〇年には一一億人超(世界人口の一七%)に膨らみ、二〇五〇年の時点
でさらに増えているだろう。
▼ 欧米に、それ以外の地域の人々が近づくのはグローバル化の
プラス面である。現在の先進国のような「上層・3%、中流・30%、その他」
に世界の階層は、変化していく。しかし問題は、その他の67%の人たちが、
三分の一の生活実態が情報化で見えること。3%の上層は、それを和らげる
政策を取りざるを得なって、下流から中流への移動を計るしかないので、
世界は徐々に良くなっていく? それは楽観的見方だが、どうだろう。
移住が比較的簡単になり、豊かな地域に貧しい人たちが移住するため、国家内
格差は大きくなっていく。 国内の貧富の差の拡大を上回る速度で、世界の
途上国の経済拡大が激しくなっていく。それは40年後ではなく、現在、起きて
いる問題である。ドバイの都市建設の労働者がインド、バングラデシュからの
臨時雇用で、現地人との差は大きい。また、北朝鮮の政治体制が、その典型。
弱肉強食が社会の発展の原動力なら、貧富差の収斂は、人類の永遠の課題。
10月03日(火)
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