ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5779,閑話小題 〜年初に、つれづれに
左右される。そのため1000ドルの利益は、たとえ額は同じでも、金持ち
より貧乏人にとっての方が間違いなく価値が大きい」 富そのものは幸せに
関係ない。大事なのは「効用」。お金や昇進やビーチでの休暇そのものには
興味ない。あるのは、こうした形態の富がもたらす、満足や喜びである。
賢い選択とは、喜びを最大にする選択であり、お金を最大にする選択ではない。
お金が増えていく場合、一ドルが与える喜びは常に前回よりわずかに少ない。
人は絶対量でなく、相対量に敏感である。しかし効用を推定することは難しい。
それをするには、そう想像だ。我われの脳は独自の構造を持っていて、
心の中で自分を未来の状況に移動させ、そこでどんな気持ちがするか自分に
尋ねることができる。 効用を数学的な正確さで計算しなくとも、明日に一歩
足を踏み入れて、その感触を確かめればよい。自分を時間軸の前方に投影し、
出来事が起こる前にそれを経験できる能力のおかげで、我われは誤りをおかす
ことなく学ぶことができ、行動することなくそれを評価できる。
それでも未来の自分と未来の状況をシュミレーションする能力は、完璧から
ほど遠い。未来の状況を想像するとき、我われは、実現しない細部を穴埋めを
し、実現する細部を放棄する。未来の状況を想像するとき、今感じていること
を無視できず、あとで起こる物事について、どう考えるようになるか気づかない。
しかし、先見はもろい能力だ。そのためには、目を細め必死に目を凝らして
みたりしなければならない。幸せを見つける公式はない。しかし、偉大なる
脳は、ちょっと先にあるように見える幸せに、かならずしも導いてくれない
としても、なぜ辿りつけないかを教えてくれる。≫
▼ 秘境ツアーは、その最たるもの。大体、価格の5〜10倍の価値を実感
してきた。その効用(価値)は、経験と情報でほぼ予測可能である。
その上、行った先をTVの旅行番組で映し出してくれる。その時の見れなかった
細部をプラスして見せてくれる。とはいえ、それも時間と金銭と気持ちに
余裕があってこそ。 亡くなった姉が派手な浪費家と思っていたが、
振り返ると、浪費家というより‘良’費家に思えてきた。その時々を最大限、
楽しんでいた。 人生は、それでよいと、この歳になる身に沁みて思える。
ただ、面子を捨てることが出来るかどうか。面子は面子で、それも可愛い。
・・・・・・
3942, 終わりなき危機 君はグローバリゼーションの真実を見たか ー2
2012年01月10日(火)
「終わりなき危機 君はグローバリゼーションの真実を見たか」
水野和夫著
* 事実は真実の敵である
‘はじめ’の次の言葉が、この本の全てを要約している。
≪ 我々がシュミットのいう「世界史」の終わりに近づいているに一刻一刻と
近づいているにもかかわらず、その認識がなく、グロバリゼーションを
「ヒト、モノ、カネが国境を越えるプロセス」と考えて資本の反革命の片棒を
担いでいる。・・ 「事実は真実の敵だ」といったのは、ミュージカル
「ラ・マンチャの男」の脚本を書いたD・ワサーマンである。
グロバリゼーションの「事実」とは、「ヒト、モノ、カネの国境を越える
自由な移動」であり、その「真実」とは、帝国システムをなす中心と周辺を
結びつけるイディオロギーである。≫
▼ ここで、二つの経済震災と、一つの自然震災を著者は「近代の自己敗北」と
「歴史における危機」とみる。近代は、過去の遺産を食い潰し、未来の利益を
横取りをしたと看破している。現在の日本のy財政や年金を例にみても、その
ことが納得できる。ヒト、モノ、カネの移動をグロバリゼーションの事実だけ
みて、その真実を知らないと、近代科学のもつ恐ろしい力に飲み込まれてしまう。
その上に、ひとりひとりの手には、高性能の情報端末を持つ時代になっきた。
情報化社会でグローバリゼーションを止めることは不可能。
グローバル化は金融や情報だけでない、細菌なども含まれる。
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01月10日(火)
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