ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5711,閑話小題 〜2016/11/03 5:55
たまたまポンペイについて書いていたので、その偶然の一致が奇妙な気分。
2000年前の生々しい人間の心が、落書きの中に出ていた。話は少し逸れるが、
エジプトのルクソール神殿の遺跡の壁にあったレリーフに,兵隊の絵があった。
同じ絵が多く描かれていたが、現地の日本人女ガイドの説明が面白い。
その兵隊うちの一人だけが、ところどころ逆向きに向いているのだ。
当時の多くの職人の一人が、命をかけて?わざっと逆向きに彫ったという。
いつの時代でも、そのような遊びがあった。それよりも、数千年の時空を
超えた男の生身の人間的なジョークを伝えているのがよい。
ーその番組みで紹介していためポンペイのメモには
・〔私と貴方が一緒に踊ったことを憶えていて、訪ねてきてくれてラブレター
を置いていってくれた〕返事が壁に書かれていた。
・隣近所のお知らせー人々は回覧板かわりに壁を使ってコミュニケーション
をしていた。
・現在の通りの商店看板と殆ど同じものが、当時のポンペイの街にもあった。
・ポンペイの街には400軒の店があった。 24時間営業の居酒屋があった。
その居酒屋の奥の部屋でゲームと会話をしている絵が残されていた。
・食料品店の壁には、掛け売りのメモが書きこまれていた。
家計簿的なメモもあった。
・果物屋には桃が売られていたメモがあった。 等々である。
メモから、当時の変化がうかがい知ることが出来る。当時のローマ帝国の
政策の大きなものとして、パンと、サーカス(街には必ず円形劇場が
つくられていた)を庶民に与えることであった。AD・54に17歳で皇帝に
なったネロが、その政策を更にエスカレートさせていった。
そのためか、贅沢の限りをつくす考えが一般にまで浸透を始めていた。
その頃のメモに〔今を楽しめ〕というのがあった。
それがエスカレートしたのかタブーのメモもあった。
・下品の言葉を慎むように
・他人の妻には手を出さないこと
・食事をしていて、着物を汚さないように
宴会場の壁には、酔っ払いの落書きに
〔とことん飲むぞ!〕というものもあった。
富める者と貧しいものとの格差が鮮明になり始めてきていた。
そして、貧しい者の荒んだ心がそのまま落書きになっていた。
〔あの男に災いあれ!」当時の円形闘技場の落書きの中に「闘技場の外で
多くの人同士が剣をもって争う姿」があった。試合を見ていた同士が喧嘩に
なって殺しあう事件が起こったのだ。普段の生活が、火山で時がそのまま
密封され生々しい世界が奇跡的に今に多くを語りかけている。
−この私のポンペイのシリーズはまだまだ続くー
・・・・・・
2004/11/26
1333, 2000年前のポンペイ −4
遺跡の中でポンペイの遺跡は、奇跡に近い状態で当時の世界をそのまま
閉じ込めて現在に提示してくれている。このグラビアの本を開いているだけで、
気持ちが2000年の時空を飛び越えてローマの時代にはまりこんでしまう。
この小プリニウスの手紙には、大きな衝撃を受ける。この青年の知性にも、
驚きざるをえない。それと、大プリニウスの行動にも当時の知的レベルの
高さを知ることができる。この内容が、2000年前の事実がそのままドキュメント
風に記載されているから迫力があるのだ。人間の変わらない感動、恐怖、そして
生活がそのまま伝わってくる。街全体が、当時のまま残っているから、
更にこの手紙の内容が生々しい。18世紀の初頭まで人々の記憶から忘れ去られた
ことが、当時のままの姿を残すことにもなった。35年前の日記を昨日のように
感じるのは何ら不思議ではない。全て昨日のようなものである。
数ヶ月前のTVドキュメントは、この手紙を忠実に映像化をしていた。
そして、爆発が起きてからポンペイが埋まるまでの19時間も、当時の遺体の
様子から想像をしたドキュメントが生々しく時系列で構成されていた。
ー6月20日の手紙
私は先に、あなたの求めに応じて、伯父の死についての手紙を書き送りました。
手紙を読で、ミセヌムに残されたこの私がいったいどんな恐怖を味わい、そして
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11月03日(木)
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