ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■8118、閑話小題 〜何でまた、心筋梗塞、一歩手前 (2)
・しかし山の中腹まで行ったあたりで次男が音を上げた。
『兄さん、俺はもうここでいいよ。ここなら果物も豊富に実っているし、じゅうぶん
生活していくことができる。そんなに遠くまで世界が見れなくてもかまわない』。
・いちばん上の兄はなおも坂道を歩み続けた。道はどんどん狭く険しくなって
いったけれど、あきらめなかった。我慢強い性格だったし、世界を少しでも遠く
まで見たいと思ったんだ。そして力の限り、岩を押し上げ続けた。何ヶ月もかけて、
ほとんど飲まず食わずで、その岩をなんとか高い山のてっぺんまで押し上げること
ができた。彼はそこで止まり、世界を眺めた。今では誰よりも遠くの世界を見渡す
ことができた。そこが彼の住む場所だった。草も生えないし、鳥も飛ばないような
場所だった。水分といえば氷と霜を舐めるしかなかったし、食べ物と言えば苔を
かじるしかなかった。でも後悔はしなかった。彼には世界を見渡すことができた
からだ…。というわけでハワイのその島の山の頂には、今でも大きな丸い岩が
ひとつぽかんと残っている。 ≫
―
▼ 含蓄の深い話である。いちばん上の兄が眺めた場所は世界を眺めることが
出来る場所。ツアー道があるならば、より厳しい秘・異郷先に挑戦し、その先
を味わい、帰ってくる。大自然の神秘に触れ、感動を通し同化し、地球の広さと
深さを垣間見て、帰路に就く。それで充分である。物質的満足感を遥かに超える
充実感。他者への説明の必要はない創業、いや、人生の味わいそのもの。
その味わいは、味わった者しか知り得ない至高体験。ただ、住みたいとは思わない。
海辺の岩場で囲まれた岩穴で、外洋を知ることなく満足して生きるのも人生。
そうそう、外に出て世界を知るのも人生。問題は丸い岩を押し上げていく代償。
長男に見えていたのは、さて如何だろう? 丸い岩だけ。時どき、休み、下界を
垣間見ていた。その味わいは、麓に留まった弟たちには知り得ないこと。
としても、その石は重かっただろうに! 如何だろう次男のように、中腹に留まり、
時にピクニックで山頂に登って世界を眺め、時に海辺で釣り三昧。ただ、風当たり
が悪い?それぞれ、問題は生じてくる。反面、ハワイの土地柄で、何処も同じか!
この手の話なら、限りなく面白そうな話が浮び上ってくる… 〜つづく
・・・・・・
6324,閑話小題 〜昨日は、中学校の同期会
2018年07月07日(土)
* 同期会、つれづれに
07月07日(金)
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