ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5376,武器としての決断思考 ー②
の教養であった「記憶術」の歴史も語られる。脳と記憶についての科学的な
考察もある。記憶の魅力に取り憑かれた著者が、好奇心の赴くままに記憶の
世界を縦横無尽に駆けめぐる。面白さと、知的興奮を与える1冊。}
 =冒頭の一節から=
《 紀元前5世紀の悲劇の宮殿。生き残ったのは彼だけだった。しばらくし
 人々がやってきて、瓦礫をかき分け、捜索を始めた。指輪でも履物でも
何でもいい。そこに埋もれているのが自分の身内だと教えてくれるものが
見つかることを祈って。その少前、古代ギリシャの詩人、ケオスのシモニデス
は、テッサリアの名士、スコパス家の祝典で歌を披露していた。
歌を終えて席に着くと、使者が彼の肩をたたいた。2人の男が馬でやってきて、
伝えたいことがあるので外で待っているという。彼は再び立ち上がって、扉に
向かった。外に出たまさにそのとき、宴会場の屋根がものすごい音を立て崩れ
落ち、大理石のかけらと埃が舞い散った。今、彼は、がれきと死体の海の中に
立ち尽くしていた。さっきまでにぎやかな笑い声が響いていた空間には、ただ
陰鬱な空気が立ち込めている。人々が必死にがれきを掘り起こしていくが、
瓦礫の中から引っ張り出された死体はひどく損傷していて、誰のものとも
見分けがつかない。誰がどの席に座っていたかわかる者もいないのだろう。 
シモニデスはあらゆる感覚を自分の周囲に集中させ、頭の中で時計を巻戻した。
その時、記憶の概念を変える奇跡が起こった!―大理石のかけらが積み上って
柱になり、その上の装飾部分も蘇った。石のかけらは食器に、がれきから
突き出ていた木片はテーブルになった。彼は客人の一人ひとりに目をやった。
皆、悲劇が迫っているとは知らずに席に着いている。一番前の席でスコバスが
笑っている。彼の向かいには友人の詩人が座っていて、皿のソースをパンで
すくっている。貴族の男性が気取った笑みを浮かべている。 窓を見やると、
使いの者が、こちらに向かってやってくる。何か重要な知らせがあるようだ―。
シモニデスは目を開けた。そして、混乱する人々の手を取り、ゆっくりと
がれきの上に歩を進め、彼らの愛する人が座っていた場所へと案内した。
これが、記憶術が誕生した伝説の瞬間である。 》
▼ 次回に、「シモニデスの記憶術」について書いてみるが、記憶にイメージ
 を使うことも知らずに、この年齢まできた。試験などの記憶は、とにもかく
にも何度も口に出して繰り返すか、紙に書いて、それを何度も読み返す程度。
12年前に、読書の要点とか、その時どきの思いを、ブログに書いて、時系列
と、分類をすることを思い立った。ブログが出始めの頃で、これは個人用の
HPだった。それを公開することで、逆に客観性を持たせ、内容のレベルを
落とせない?ようにした。外部記憶装置をネットに公開したことになる。 
だから、底の浅い自分が、そのまま表出するが、今さら!と割り切れば、
これはこれで自己実現になっている。    ーつづく
・・・・・・
4279, 閑話小題 ー中小企業420万社、円滑法適応は一割弱 
2012年12月03日(月)
  * 中小企業420万社、円滑法適応は一割弱
 先日の朝日新聞の記事に「中小企業支援 息切れ」という記事があった。
  ーその概略はー
≪ 中小は来春の借金返済を先延しの「金融円滑法」の期限切れを向かえるが、
景気が更に悪化するなか、倒産が増え、不良債権がふくらむ恐れが出てきた。
全国の中小企業420万社のうち、円滑法の適応を受けているのは30〜
40万社と一割弱が適用をされたという。そのため、08,09年に1万5千件
を超えていた中小の倒産が、10、11年には一割減の1万3千前後に、今年
も似たような件数で終わりそう。円滑法の狙いはリーマンショックによる急激な
経済悪化を和らげ、会社を立て直す機会を与えることだった。だが改善は進まず、
繰り延ばしをする会社が多く、依存症になっている状態。一年の時限立法も、
二度も延期されたが、来年も、この事態では繰り延べもありうる。≫

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12月03日(木)
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