ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6646,閑話小題 〜「おばさん」の話 ―4  
世界の光景の感動は、魂に刻印されて、永遠に残す力を持つ。

 プロローグの「旅人よ、旅人よ、至福あらんことを」の冒頭がよい。
≪ ◉ あなたが何歳かわかりませんが、私たちはこの世に生れてきて、
 やってみなくてはならないことが幾つかあるとおもってます。
少しオーバーかもしれませんが、それをせずして死ぬということは、
生きることの冒�必ではないかと思います。
 それを‘恋愛と言うロマンチストもいるでしょうし… 
 素晴らしい音楽を聞くことであると…
 美味しいワインを飲むことだという人も…
 人生の伴侶を見つけることという人だと言い切る人もいる。
そして、私にとって、この世に生まれれてきて、これをしなくてはならない
と思えるのは、断然、旅です。>
<◉ 近世のヨーロッパで、グランドツアーという名称がつけられた旅が流行
したとき、その謳い文句は「人間として生まれてきて、もっとも至福なことは、
旅をすることである」とありました。…それでも私は旅をしたことで私の体に、
記憶に、今もきちんと埋めこまれている旅の日々が他の行動では決して得る
ことのできなかったことを、確信できます。出来ることなら、生涯旅を続ける
ことができたなら、と今でも思ってます。         24-25p
◉ 私の旅の基本とはどんなものか。…すべてを実感だけで捉るのが私のやり方。
 〜そのいい例が第五章のポーランド、アウシュビッツの旅です。 …
その街に足を踏み入れ、あてどなく彷徨すれば、皆さんの身体のなかに、
その街は生き続けます。それが旅の至福を得るということです。 30p
◉ なぜ軟弱なのか?それは連るむからである。一人で歩かないからである。
 ”弧”となりえないからである。〜”弧”を知るにはどうすればいいか。
さまようことである。旅をすることである。    34p
◉ 想定する生には限界がある。所詮、人が頭で考えるものには限界がある。
 想定を超えるものは、予期せぬことに出逢うことからしか生まれない。43p>

▼ 旅好きが、旅好きの人のために書いた本。何度も何度も、ここでテーマと
 してきた。その感動は、それぞれ年代の人生の横糸として織り込まれている。
――――
2016/08/01
かわいい自分に旅させよ ーA
         <『かわいい自分には旅させよ』浅田次郎著>
   * かわいい自分に旅させよ 〜B
 40歳代に入って直ぐの頃、『年一回の海外に出ること』を決めた。
そして、半ばも過ぎた頃、それを年二回に切り替えた。20歳から20数年間、
ストレスの多い「創業」の為の転進を繰り返してきた。何事も現実に直面
すると、火事場のバカ力が生じてくる。その奇跡に近い偶然を拾い上げて、
その場を切り抜ける。しかしストレスは並大抵ではない。その沈殿がピーク
になっていった頃である。その解消剤にツアーのストレスと感動が、合理的で
あることに気づいた。早朝の読書習慣と、散歩、そして、海外ツアーが、
何とか、自分を支えてくれた。 半年単位、一年単位で、そのストレスを、
払い落とすしかない。そこで、「秘境・異郷ツアー」のストレスで、それを
削ぎとるしかなかった。それが、結果として、心の、いや魂の財産になった。
 〜以下の部分は、「苦労でなくなった旅を、自分に与えよ」と勧める。
 ≪ 「かわいい子には旅をさせよ」という格言は、今や死語であろう。
 かつては苦労の代名詞であった旅行も、世の中がすっかり便利になった今日
では娯楽の王者となってしまった。もしかしたら今の若者たちは、この言葉の
意味を「かわいい子には娯楽を与えよ」と曲解しているかもしれぬ。
 たしかに旅は苦労ではなくなった。ただし、経験としての価値が損われた
わけではない。人間は経験によってたゆまぬ成長をとげるものであるから、
苦労を伴わずに経験を得ることのできる今日の旅は、子供よりもむしろ大人に
とっても好ましいかたちになったと言える。この福音に甘んじぬ手はあるまい。
「かわいい自分には旅をさせよ」である。金だの時間だの手間だのと、旅に

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05月27日(月)
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