ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6166,閑話小題 〜キツネとハリネズミ −3
  あうようにして、建前として、『自由、平等、博愛』を理想の旗に掲げた。
熊さん: 理想と現実は、えらく違うね。
寅さん: だから面白いことを俺だって分かるよ。そこが熊さんと違うんだよ。
大家さん: だから寅さんは、寅なんだよ。比べちゃいけないと何時も注意して
  るじゃないか。
 <下をみれば底が無い、上をみれば果てがない、横をみれば情けない> ってね。
熊さん: 俺など、情けなくて情けなくて… まずは寅に馬鹿にされ続けてさ。
キツネ: まあ、生の危険に直面してないから、こんな生易しいことがいえるんだ。
ハリネズミ: ったく、その通り。俺なんて、滅多に餌に有り付けないし、餌にも
  ならないんだよ。そして、小さいテリトリーで、餌とメスの取り合いで齷齪し
  生涯を終えるんだよ。
八つぁん: とすると、外交的な寅さんは、さしずめ、キツネタイプ。熊さんは、
  ハリネズミタイプですか。
熊さん: そう言われると、思い当たる節があるね。いつもカカアが、ハリを
  オンたってさ。たまったもんじゃないね。
寅さん: 昨日だってさ、ダチがさ、猛禽類に目の前で浚われてさ。
  「ハイさようなら!」の声を残して空の彼方に消えていったよ。
  猛禽類は悪い奴の例えだよ。念のために…
大家さん: 司会が私だから、そろそろ、話を〆させてもらいます。
  熊さんは、カミさんや、寅さんと仲良くし、愚痴を言わないで怒らない。
  寅さんは、長屋の外で、いい気にならならないで、気を許さない。
  八つぁんは、長屋の住人を馬鹿にしたり、気を許さないことだね。
  エッ、私… そうさね、小さな長屋の大家の身分を自戒しないとね。
八つぁん: 寒む!
熊: 眠む!
寅: 腹減った!
――
▼ で、偶然だが、以下の3年、2年、4年前の文脈に続いていく。

・・・・・・
5069,あわいの力 ー�
2015年01月30日(金)
        ーあわいの力 「心の時代」の次を生きるー安田登(著)
  * 日本の「心(こころ)の三重構造」
 ここで、「心」の三層構造がシンプルに説明されている。これまでは、
< 仏の心を、「こころ」、移りゆく感情などを中心にした西欧的解釈を、
「心」と解釈してきたが、この三層構造は面白い! 〜その辺りから〜
≪ 「心」は、三層構造である。 
 ・一番上の表層が「心(こころ)」(=脳)があって、
 ・その下に「おもひ」(=内臓感覚があり)
 ・深奥に「しん(心)」(=芯=神)がある。
― 表層にある「こころ」の特徴をひとことでいえぱ「変化する」ことです。
 たとえば、去年まではあの人のことを好きだと言っていたのに、今年はもう
違う人を好きになっている。そんな移ろいやすい感情が「こころ」です。
こころ変わりという言葉があるでしょう。
― その「こころ」の下には、表層の「こころ」を生み出すもとになる動的な
 心的作用、「おもひ」があります。「おもひ」のなかで重要なのが「こひ」
という言葉です。「こひ」は、ふつうは「恋」という漢字をあてて恋愛感情を
いうことが多いのですが、本来は自分のなかに、なんらかの欠落感があって、
その欠落状態が埋まるまで、なんとも落ち着かない、そんな不安定な状態を
さします。たとえば、さっきまで目の前にいた子どもがいなくなり、その子が
戻ってくるまでは安心できない、そんな状態のことです。漢字で表記するなら
「乞ひ」がいいでしょう。雨が降らないから「雨乞い」をし、お腹が空いて
しかたがないから「物乞い」をする、そんな状態を「こひ」といいます。
 ・・仏教にも以心伝心がある。世阿弥は、心より心に伝ふる花と言った。
言語以前である。能は、「おもひ」を圧縮した芸能である。演技により解凍
された「おもひ」は、観客の深奥に隠れている「おもひ」と同期して目覚め
させる。「おもひ」の世界の言語は、歌(詩)である。
 能というのは、この「おもひ」を圧縮した芸能で、そして能を演じるという
ことは、その「おもひ」を解凍していく作業なのかもしれません。そこで解凍

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01月30日(火)
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