ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5802,なぜ日本人は世間と寝たがるのか ―読書日記 1
 これは自分たち夫婦が男と女の関係としては既に終わっているということを、
堂々と宣言していることに他ならないが、子どもを中心としたタテの関係の
親族名称を使うことは、家族の呼び方として極めて安定したものであるだけで
なく、日本の家族においては子どもの存在が必須条件であることを暗黙の内に
示している。男自体も大人の男性ではなく「成人した幼児」で、妻に対しては
まるで「母親」に対するような態度で接するマザコンでしかなく、「支配ー服従」
か「包むー包まれる」関係になりやすい日本の「母子関係」もあいまって、
はじめは恋愛関係であった夫婦も時間が経てば母子関係として安定的になる
ので、「ママ」や「お母さん」という呼び方は、その関係を象徴している。
 先進工業国のうちでも日本で犯罪発生率が極めて低く抑えられているのは、
「世間を離れては生きて行けない」との思いが存在しているからである。
それは、幼児期に子どもたちが両親の権威を受け入れ、両親からの期待に無理
やり答えさせられると同時に、両親に依存することを許され「存在論的安心」を
得られることを学ぶからで、西欧の独り寝などの独立した存在としての扱いで
なく、沢山の身体的接触によって「小さな大人」でなく「大きな子ども」と
して扱われ、過剰に両親に依存するようになる。この依存と支配の受容の関係は、
ウチ集団への依存とその社会集団による社会統制の受容の関係となる。
 悪いことをした時、米の親が家に閉じ込め、日本の親が家から締め出すと脅す
ことに象徴されるように、日本では罰がウチ世界からの排除であることを学ぶ。≫
――
▼ ホンネ=世間、タテマエ=社会の図式の日本社会でも、現実社会の上に
 別個に出来たネット社会の潮流の中で、大きく変化をしている。否が応でも、
それぞれがスマートフォンを持てば、「家」より各個人の結びつきが優先される。
とはいえ、その「私」が貧弱のままのため、「世間」とかいう魔物に執りつかれ、
身動きが出来ない。サラサラの砂のように、それぞれがバラバラで、まとまりが
つかない中国人の特質のように… 
 次回は、<「世間」の4つのルール>をテーマにする。世間は世界中に
あるが、ここでは、「一神教的欧米世間」に対し、「日本的世間」である。

・・・・・・
5436,人生で最も大切な技術 ーO 自分の一番の敵(苦脳)への即効薬は
2016年02月02日(火)
       『幸福の探求―人生で最も大切な技術』マチウ リカール著
   * 自分の一番の敵(苦脳)への即効薬は
 苦悩の危機管理である。終戦直後の幼児の頃、両親が創業に大わらわで、
家庭内は多くの問題を抱え、日々戦場。その中で、長兄、次兄が、戦死?した
こともあって、小中高校時代は、神経質で暗い性格だったが、表立っては、
明るくふるまっていた。大人数の兄・姉達も、越後の特質もあり、それぞれ
が独りの世界に閉じこもっていた。しかし、私には、父親が何かと骨董品を
愛でるように(ペットのように)外出時には、何時も連れ歩いてくれていた。
そこで聞く世間話が何とも面白こと、この上なかった。特に倒産、夜逃げ話、
妾など男女間の話題は、生々しい悲喜劇に満ちていた。
 相続もトラブルを前提に、生前贈与でそれぞれの持分を確定したうえ、
亡くなっていった。その環境の中で、自分の身は自分でしか守れないことを、
商家の環境が知らしめていた。 久々に会う大学時代の何人か友人が、
『お前は、用心深かった!』と言われるのも、幼児からの生活環境がある。 
 会社整理は、厳しかったが、問題から目を逸らさず、『正 中心 一点無』
を心の中心に据え、そこから湧き出る考えに従うことで乗りこえた。
 これは創業期から実践してきたこと。マイナス期には、ハイエナ人間が、
臭いを嗅ぎつけて擦り寄っていた。 得たこと3に、失ったこと1と割切れば、
人生、まんざら悪くない。 〜その辺りから〜 
≪ 外界で激変が起こっても、それが必ずしも最大級の苦悩をもたらすこと
にはならない。戦時中に、自殺とうつ病の発生率が大幅に低下することが

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02月02日(木)
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