ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5425,閑話小題 〜年明け早々に何かが始った
のために存在するということになる。恐慌は経済活動のショック死現象だが、
見方を変えれば洪水のようなもの。大河が溢れれば洪水になる。洪水はすべてを
流し、その過ぎ去りし後に新たな生命の循環が始まる。新たなスタートを切る
のは結構だが、その前に、あまりに悲惨な大清算の場面をどうしても経なければ
ならないのか。その衝撃をなんとか緩和できないものか。そのような発想の中から、
政策の関与によって経済的変動を微調整しようというケインズ的考え方が生まれた。
かくして、ケインズ後の経済の世界は、恐慌というショック死現象に陥ること
を免れることになった。ただし、そのための代償として、常にインフレに陥り
やすい体質が世界的に根づくことになった。それはそうだろう。
経済活動のショック死を防ぐべく、政策が早め早めにカンフル剤を打つ。
その状態が続けば、経済活動は常にとってもハイになりやすい。欝状態に陥る
ことを避けるために、どうしても躁状態を慢性化する方向にバイアスがかかる。
要するに人類は慢性インフレという代償を払うことによって、繰り返し襲う
恐慌の洪水から解放された。それが従来型の基本認識だった。ところが、いまや
その認識とはあまりにも違う構図が我々の目の前に出現している。いまや、
内と外との関係は実に曖昧だ。国内から外に出て行き、外から内に流れ込む。
数多くの工場が丸ごと国境を超えて移転する。それに伴って雇用機会もかつて
ない勢いで内から外へ流れ出す。≫
▼ 問題は、大清算の国民の痛み。ギリシャが、いざ予算削減で国民の痛みに
直面すると同時に拒否するパターンと同じことが、今までも、これからも
日本に起こる。目先の痛みを恐れ問題の先送りを続けてきたが、もう許されない。
しかし茹で蛙状態の日本人も同じこと。最後は金持ちは国外に移住。
国内残留組は貧乏になるしかない。それを、国民は選んだ結果である。
・・・・・
3954, ファイナル・クラッシュ ー6
2012年01月22日(日)
* 日本経済の行方 「ファイナル・クラッシュ 世界経済は
大破局に向かっている!」
≪ 著者ヒューゴはファイナル・クラッシの主因を大西洋両岸のイギリス、
アメリカの浪費型経済システムと見ている。まずアメリカ、そしてイギリス
を含むヨーロヅパが完全な機能不全に陥って、日本を含むアジアも経済的な
破局に巻き込まれる見通し。しかし、日本経済を振り返れば、アメリカ以上に
借金頼みのいびつな形となっていることは疑いない。「アジアの成長が止まる
ことも、あるいは崖っぷちで踏みとどまっているアメリカとヨーロッパの
経済が足を滑らせて恐慌状態に転がり落ちることも世界経済全体がファイナル・
クラッシュを迎える引き金となるだろう。そして世界にはもう一つ大きな危険
要因が存在する。日本である。私の予想では日本政府はもう一段階の格下げに
あい、アメリカ政府に先駆けて財政破綻する。その後、日本に引きずられて
アメリカとヨーロッパ諸国も同じ道をたどることになる。アメリカ先行ではなく、
日本がアメリカを引きずり下ろすのだ。この点が著者ヒューゴと私の見解の相違
である。もっとも違いといってもシナリオが違うだけ、最終的な結末は大差ない。
日本経済の抱える問題を、世界では「ジャパン・プロブレム」と呼んでいる。
懸念されているのは、日本政府の財政状況。日本政府の負債は、財務省の発表
によれば二〇一〇年度末で九二四兆円。 OECD(経済協力開発機構)の推計では、
二〇一一年にも国内総生産比で二〇〇%を突破し、さらに今回の震災の復興費用
により二三五%になると言われている。また、政府の歳出が税収の二倍を上回る。
そういう国は長くは続かない。しかも日本政府はこれから震災復興を理由として、
今以上に支出を増やそうとしているのだ。日本では報道されていないが、
海外では今や日本政府の財政破綻こそ、世界経済の最大の懸念事項なのである。
IMFの発表を見ていても、東日本大震災は世界経済の撹乱要因、危険要因と
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01月22日(金)
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