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by DIARY
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■今月の参禅−30
人生の初め、赤ちゃんの時。生後一ヶ月頃から赤ちゃんが気持ちよさそうに笑っているように見えたり、眠りながらふっと穏やかに笑顔を見せてくれる瞬間が増えてきます。

じつはこの頃の笑顔は、弱い生き物である赤ちゃんが、可愛がって育ててもらうための本能の微笑みなのだそうです。
生理的微笑、新生児微笑ともいわれます。

人は生まれながらの本能で微笑みを持って生まれてきて、それを見た周りの人に自然と穏やかな微笑みの輪が広がります。
私たちは誰でも人を微笑ませる笑顔を持って生まれてきたのです。

人生の終わり、葬儀の時。祭壇にはご遺影が飾られていますが、ご遺影は、まずだいたいは、やさしそうでおだやかな笑顔のお写真が使われております。
ちなみに葬儀が終わってご遺影は四十九日も過ぎれば、いずれ仏間の鴨居にかけられ、残された家の人にいつまでもにこにことおだやかな笑顔を向けることとなります。

ご遺体のお世話をし、死に化粧もほどこす納棺夫という職業を描いた映画「おくりびと」が先年大ヒットしましたが、死に化粧もまた亡き方のやさしくおだやかな表情をつくる行いです。

葬儀で送る側の人たちにとって、今はすでに物言わぬ亡き方には、やさしい笑顔で穏やかな気持ちで旅立ってもらいたい、この願いだけは宗教宗派問わず古今東西共通している点でありましょう。

人は、穏やかな笑顔を持って生まれ、穏やかな笑顔で去ることとなります。

しかし、その間、私たちが人生を過ごしているとき、忙しさからかストレスの為か、穏やかな表情をすっかり忘れてしまっているように感じます。
しかしながら、ぐっすりと寝ている間、この間は穏やかな顔を取り戻しています。本来私たちの顔の表情は穏やかな顔こそ自然の表情です。

ご本山の毎日は、朝の坐禅で始まります。大僧堂でたくさんの修行僧が一堂に坐禅をします。
坐禅が終わりお袈裟を着け、朝のお勤めの為大祖堂へ向かう多くの僧侶の顔は、どなたも穏やかでやわらかな表情をしています。
さらには、静けさを身にまとっている、そんな雰囲気が漂います。それはある程度の時間呼吸を整え心静かに坐禅をした、その余韻が残っているからです。

朝起きてお化粧などをして顔の表情を整えることは 身だしなみとして大切なことですが、それ以前に心静かに呼吸を整え、本来持っているはずの穏やかな顔へと整えてみてはいかがでしょうか?

坐禅で整えた余韻は必ず目を覚ましている日中の生活に反映されます。
お化粧もいずれあせていくように、一日を過ごすうちにその余韻は消えていくかもしれません。
しかし、また翌日の朝に心静かに坐ってみる、その毎日の繰り返しが目を覚ましているときの日送りに好影響を与えます。
穏やかな表情を向けられていやがる人はまずいません。
自分を取り巻く環境は自然と穏やかになっていくのです。

by総持寺参禅寮
03月18日(木)
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