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On the Production
by 井口健二
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■くまをまつ、たべっ子どうぶつ THE MOVIE、雪解けのあと、リライト
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※
※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
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『くまをまつ』
助監督として今泉力哉監督作品や、2022年11月紹介『餓鬼が
笑う』などにも関ってきた滝野弘仁による初単独監督作品。
監督の出生地でもある石川県小松市を舞台に、少しファンタ
スティックな要素もある物語が展開される。
主人公となるのは幼い少年と女性の脚本家。映画の巻頭では
少年が祖父の葬儀に参列している様子が描かれる。そして数
年後、少年は母親が海外出張に行った夏休みを祖父が遺した
家で脚本執筆中の女性と共に過ごすことになる。
その女性は父親の日記を基に映画の台本を書こうとしていた
のだが、そこに記された文言に謎が生じる。その謎はある疑
念へと発展していったが…。一方、少年は女性から聞かされ
た祖父の思い出によって不思議な世界に誘われる。
そんな物語が、小松市滝ヶ原町にある実際に監督の祖父の家
だったという古民家とその周囲の素晴らしい大自然、謎めい
た石切り場の跡地などを巡って展開される。
出演は、2019年染谷将太の脚本監督主演の短編作品に共演し
ている平野鈴と、5歳から広告、CM等に出演し今回が映画
初出演の渋谷いる太。他に中村映里子、大場みなみ、内田周
作、松浦りょう、竹内啓らが脇を固めている。
上では少しと書いたけれど、ファンタシーの要素は少年の絡
むシーンではかなり明確に描かれている。ただそれが現実な
のか妄想なのかはあいまいにされていて、そのムードの作り
方はかなり巧みに感じられた。
それは例えばアンドレイ・タルコフスキー監督の1979年作品
『ストーカー』で少女の超能力がさりげなく描かれている感
覚にも似ていて、ファンタシーをこんな風に描ける監督が日
本にもいたのか…、という感動にもなった。
実は自分の孫が今年から小学生なので少年の祖父は自分ぐら
いなのかなと思って親近感が湧いたが、実際には監督の祖父
の話なのでもう少し上の世代なのかな。戦中戦後の混乱期が
背景にある作品とも言えそうだ。
そんな時代背景が直接世相を描いているものではないけど、
ノスタルジーとはちょっと違うファンタスティックなムード
を醸し出していた。これも良い感覚を味わえたものだ。こん
な作品を作ってくれるならこれからも期待したいものだ。
公開は6月7日より、東京地区はポレポレ東中野他にて全国
順次ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社kine A houseの招待で試写を観
て投稿するものです。

『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』
1978年に発売開始され、現在は世界47カ国で販売されている
というお子様向けのお菓子をモティーフに製造元ギンビス社
との協同で映画化したCGIアニメーション作品。
物語のコンセプトは宇宙から(?)の光線でお菓子が生物に変
身した世界。そしてお菓子と人間が一緒に暮らすスイーツラ
ンドではたべっ子どうぶつのメムバーがアイドルグループを
結成して世界的な人気を博していた。
そんなグループが世界ツアーを成功させて帰還したとき、ス
イーツランドはとんでもない事態に見舞われていた。それは
街がわたあめで覆われ、帰還を祝う式典に招かれたメムバー
は仲間があめで固められているのを目撃する。
その元凶はキングゴットン。そいつはお菓子をわたあめだけ
にして世界を征服することを目論んでいたのだ。しかも正体
を見破られたキングゴットンはたべっこどうぶつのメムバー
にも刃を向ける。果たしてメムバーは世界を救えるか?
声の出演は、Travis Japanメンバーの松田元太。2023年の朝

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04月06日(日)
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