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On the Production
by 井口健二
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■パリ・オペラ座「白鳥の湖」IMAX、いもうとの時間、イマジナリー
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
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『パリ・オペラ座「白鳥の湖」IMAX』
“Swan Lake/Le Lac des cygnes Filmd for IMAX”
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー作曲によるバレエ
の最高峰ともされる演目を、ルドルフ・ヌレエフ振付を基に
2024年6月パリ・オペラ座で再演。その舞台をIMAX社が独自
に撮影した作品。
僕はバレエの公演を生では観たことも無い門外漢だが、この
名作に関しては2011年1月紹介『ブラック・スワン』などで
も聞き及んでおり、演目の様々な見どころなども知識として
は持っていたものだ。
そのせいもあってなのかスクリーンでの上映が始まりIMAXの
ロゴが終わった辺りからワクワク感と共に緊張が高まり、か
なり興奮もしてきていた。これがIMAXの臨場感ということな
のかな。そんな感覚を久しぶりに味わえた。
ストーリーは一般に知られた通りのもので、成人と妃選びの
祝宴を翌日に控えたジークフリート王子が悪魔の呪いで白鳥
に姿を変えられたオデット姫と出会い、呪いを解こうとする
が悪魔に妨害される…というもの。
そこにパロディでも有名になった4羽の白鳥の踊りや壮絶な
黒鳥の踊りなど様々な見せ場が挿入され、全体的には華麗な
群舞で物語が綴られて行く。それをヌレエフの高さのある壮
大な振り付けで演じているものだ。
出演は、2011年パリ・オペラ座バレエ団に加入、2021年6月
に同バレエ団でアジア人として初のエトワールに任命された
というパク・セウン。他にポール・マルク、パブロ・レガサ
ら総勢 150名とされる団員が舞台を彩る。
監督は2018年に『ボリショイ・バレエ in シネマ「コッペリ
ア」』も手掛けたイザベル・ジュリアンが担当した。
作品は、巻頭からジークフリート王子の横顔アップで入るな
ど映画的な演出も観られるが、全体的には客席からの視点を
一階席から上階席まで巧みに切り替えて、臨場感をそのまま
に観たいものを見せてくれる構成になっている。
そんな中での極め付きは天井カメラによる群舞や煙霧の演出
などの映像。これは客席からは絶対に観ることのできないも
のだが、正しく映像美に溢れたもので監督はこれを見せたか
ったのだろうと納得の映像だった。
そしてそれらがIMAXの大場面に展開される。因に画面の縦横
比はIMAX ratioとされているもので、IMAXスクリーンの全域
にフルサイズで投影されるものだ。
公開は11月8日より、全国のIMAXスクリーンで7日間限定の
ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社東宝東和の招待で試写を観て投
稿するものです。
『いもうとの時間』
2024年9月に紹介した『拳と祈り−袴田巌の生涯−』に続く
日本の裁判所と警察・検察の闇を描いたドキュメンタリー。
本作の背景となる「名張毒ぶどう酒事件」に関しては2019年
1月13日付題名紹介『眠る村』でも報告しているが、今回も
また東海テレビ放送が新たな取材も含めて再検証を行ってい
るものだ。
因にこの事件を扱った東海テレビ製作のドキュメンタリーは
2012年『毒とひまわり』に始まって4作目となるが、第2作
の2016年『ふたりの死刑囚』では袴田巌死刑囚(当時)も共に
描かれ、その袴田氏には2024年10月無罪判決が確定した。
それに対して本事件では、「袴田事件」と同様に証拠とされ
る物品の捏造が指摘されているのだが、その科学的な鑑定は
全て無視され再審の道は開かれない。そして時間だけが空し
く過ぎて行く。
監督は第2作以降の3作を手掛ける鎌田麗香。ナレーション
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10月27日(日)
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