ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459614hit]
■わたしのお母さん、ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド、響け!情熱のムリダンガム
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※
※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『わたしのお母さん』
2015年のデビュー作『人の望みの喜びよ』でベルリン国際映
画祭のジェネレーション部門「スペシャルメンション」を受
賞した杉田真一脚本・監督による第2作。
物語は、ローカル線の車中に座る女性が「お母さんと呼ばな
くなったのはいつからだろう」と述懐の様なモノローグを発
するところから始まる。そして映画は、彼女と母親の人生を
語って行く。
その母親は長男の家に同居していたが、赤子の孫を見ながら
の炊事中に小火を出し、長男の嫁に疎まれて長女の家にやっ
てくる。その長女は夫と二人暮らしだったが、朝起きると鏡
台で化粧をする外交的な母親が少し苦手なようだ。
それでも独身の妹と共に温泉旅行に行ったり、親子の時を過
ごすが…。屈託のない妹の姿も長女の目には違和感になる。
そして妹の発した言葉が、彼女の記憶を母親との確執を生ん
だ出来事へと誘って行く。
出演は2011年3月紹介『八日目の蝉』で演技賞を総なめにし
た井上真央と、2007年8月紹介『サッドヴァケイション』な
どの石田えり。他に2018年3月25日題名紹介『海を駆ける』
などの阿部純子、2019年11月17日題名紹介『花と雨』などの
笠松将らが脇を固めている。
脚本は、監督と2018年8月26日題名紹介『ビブリア古書堂の
事件手帖』などの松井香奈との共同となっている。
母娘の関係は親子以前に女同士という格言もあるようだが、
正直に言ってその関係性が男の僕には良く判らない。僕自身
には娘がいるが、娘と妻との関係がこんな風だとは思わない
し、第一に主人公は「お母さん」と呼ばなくて、母親を何と
呼んでいたのだろう。
とは言え脚本には女性の目線も入っている訳だし、ベテラン
と言える主演の二人だって、納得できなければ演じることは
なかっただろう。でもこれが女性にとっては普遍的な話なの
か? その辺を僕には理解できなかった。
それと作中の男性の存在感の薄いこと。物語としては長男と
主人公の夫もいるものだが、それが登場はするが母娘の関係
にほとんど関ってこない。これは男性の監督があえて避けた
のだとは思うが、何か不自然な感じもした。
公開は2022年秋。封切り日や劇場などはまだ決まっていない
ようだ。
『ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド』
“Meeting the Beatles in India”
1943年生まれで、今までに 300本以上のドキュメンタリーを
制作し、数多くの受賞にも輝くカナダの製作者ポール・サル
ツマンが、1968年インドでのビートルズとの出会いを描いた
2020年本国公開の作品。
当時23歳でカナダ国立映画制作庁に勤め、全国ネット番組で
共同司会者も担当していた若者は、ある朝、自分が自分の嫌
いな人間になっているのではないかという想いに捉われ、イ
ンドへの渡航を思い立つ。
そして同地で撮影される映画の録音技師を契約して渡航費を
工面し、恋人に想いを告げて旅立つ。しかし旅先に彼女から
別の男性と付き合うとの手紙が届き、傷心の若者はマハリシ
・マヘーシュ・ヨーギーのアシュラムに導かれる。
ところがそこにはビートルズが家族や、女優のミア・ファー
ロー、ビーチ・ボーイズのマイク・ラヴ、さらにドノヴァン
らとともに訪れており、若者は門前払いとなってしまう。し
かしそれから8日間キャンプを張った若者は…。
映画はアシュラムに入ることを許された若者がビートルズと
交流して行く様子が、若者自身が撮影した写真と共に描かれ
る。それはビートルズの最高作とも言われるアルバム“The
[5]続きを読む
07月10日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る