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On the Production
by 井口健二
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■アップグレード、国家が破産する日(宮本から君、ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・W、幽玄、ドリーミング村上春樹、サラブレッド)
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
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『アップグレード』“Upgrade”
2019年6月紹介『アス』などを手掛けるジェイスン・ブラム
が製作を担当し、2004年9月紹介『ソウ』に始まるシリーズ
の脚本、製作や、2016年『インシディアス:序章』で監督に
も進出したリー・ワネルの脚本、監督による近未来SFサス
ペンス。
物語の背景は、A.I.の発達で乗用車も目的地を告げるだけで
自動操縦が行われる時代。主人公はそんな時代でもガソリン
エンジンのマニュアル操縦車に拘り、そのメンテナンスを続
けているような男。
ところがメンテナンスの完了した車をA.I.産業の大物の自宅
に届け、妻と共に妻所有の自動運転車での帰路。突然暴走を
始めた車はスラム街に突入。そこで横転した車は暴徒に襲わ
れ、妻は殺されて主人公も全身麻痺の重傷を負う。
しかしそんな主人公の病室をA.I.産業の大物が訪れ、ある提
案が行われる。それは新開発のチップを脊髄に埋め込み、四
肢の動きを取り戻すというものだったが…。倫理に反するそ
の手術は主人公に超人的な行動力をもたらす。
マーヴェルコミックスの映画化にでもありそうな展開だが、
本作ではそれを真面なSFに仕上げている。
出演は、2012年7月紹介『プロメテウス』などローガン・マ
ーシャル=グリーン、テレビシリーズ『パワーレンジャー』
などのメラニー・ヴァレイヨ、2019年2月紹介『アンフレン
デッド:ダークウェブ』などのベティ・ガブリエル。
他に2014年『ニード・フォー・スピード』などのハリスン・
ギルバートソン、2017年11月紹介『エターナル』などのベネ
ディクト・ハーディ、オーストラリア出身のサイモン・メイ
デン(声優)らが脇を固めている。
脚本、監督のリー・ワネルに関しては、『ソウ』の紹介文で
も書いたように、当時の会見ですごく優秀な人のように感じ
たし、『ソウ』のシリーズ化やその他のヒットシリーズでも
彼の脚本の良さが光っていると思えたものだ。
そのワネルの監督デビュー作は見逃したが、本作でも緻密な
脚本と巧みな演出は見事。特に四肢の動きの微妙な変化や、
その制御が利き難くなってからのアクションなどは、正に自
分がその状態に陥っているような感覚も与えてくれた。
しかも敢えて幻想的なシーンなどを挟むこともなく、現実の
映像だけで押し切っているところも、最後の衝撃に巧みに繋
げられている。さらにこのシーンを描いたら、次は復活篇だ
な…という期待も抱かせたものだ。
本作中では主人公の妻がやってきたことへの示唆はあるが、
その追及はなされておらず、これはぜひとも続編を期待した
い作品だ。
公開は10月11日より、東京は渋谷シネクイント、新宿シネマ
カリテ他にて全国ロードショウとなる。

『国家が破産する日』“국가부도의 날”
1997年に韓国を襲った経済危機、その裏側を描いた事実に基
づくとされるドラマ作品。
1988年のソウルオリンピックから、1996年のOECD加盟へと続
き好調かに見えた韓国経済。しかしその背後では放漫な経済
政策による危機が迫っていた。それはその事実に気付いた海
外投資家の動きに始まり、外貨準備高の急激な減少から破綻
のタイムリミットが7日後に迫っていると判断される。
そこで韓国政府は秘密裏に対策チームを立ち上げ、IMF(国際
通貨基金)への支援要請を検討するが、それは韓国経済を外
部に明け渡すことを意味し、国民生活に大打撃を与えること
必至なものだった。それに対して韓国銀行の通貨対策担当者
は代案を立てるが…。

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08月25日(日)
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