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On the Production
by 井口健二
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■キングスマン:シークレットサービス
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『キングスマン:シークレットサービス』
             “Kingsman: The Secret Service”
2010年10月紹介『キック★アス』のマシュー・ヴォーン監督
によるイギリスが舞台のスパイアクション。2010年の作品と
同じくマーク・ミラーの原作コミックスからヴォーン監督と
ジェーン・ゴールドマンが脚色を手掛けている。
物語の中心となるのは、ロンドンはサヴィル・ロウの一角に
建つ紳士服店。背広の語源とも言われ紳士服店の並ぶ一角に
あるその店は…。実は紳士服の店は表向きで、その地下には
世界のどの国にも属さない秘密機関が隠されていた。
そして物語の中心になるのは、アーサーと呼ばれるリーダー
に率いられたメムバーの中で、ガラハッドのコードネームを
持つ紳士スパイ。彼には同僚の殉死によって救われた過去が
あり、以来その遺児を密かに支援していた。
そんなある日、メムバーの1人が殉死し、その後釜を決める
選抜試験が実施されることになる。その時ガラハッドは躊躇
なく、亡き同僚の遺児を推薦するのだが…。そこには過酷な
試験とその先にはさらに危険な任務が待っていた。
出演は、2012年2月紹介『裏切りのサーカス』などのコリン
・ファース、2012年7月紹介『ダークナイト ライジング』
などのマイクル・ケイン、同日紹介『ウェイ・バック〜脱出
6500km〜』などのマーク・ストロング。
さらに新人のタロン・エガートン、ソフィー・クックソンと
ソフィア・ブテラ。それにサミュエル・L・ジャクソン、マ
ーク・ハミル、『POTC』の初期3部作に出演のジャック・ダ
ベンポートらが脇を固めている。
物語の後半は、選抜試験を突破した若者がIT業界の大物の
目論む人類抹殺計画に挑む…、という二階建のものになって
いるが、上映時間も2時間9分とたっぷりあって、どちらも
それなりに堪能できるものになっていた。
実際にはさらに前日譚なども描かれるのだから、盛り沢山の
物語が卒なく手際よく纏められた脚本とも言えそうだ。因に
ヴォーン監督は原作コミックスの成立にも関っているのだそ
うで、正に自家薬籠中の作品と言うところだろう。
ただしその原作のコンセプトというのが、最近のシリアスな
傾向の強いスパイものに対して1960年代の『電撃フリント』
のような作品を目指したとのことで、それはかなり荒唐無稽
な展開も含む娯楽作品となっている。
しかもR15+指定ということで、後半にはちょっとえぐい展
開もあるけれど、その辺は『モンティ・パイソン』にも繋が
るイギリス風のユーモアかな? ハリウッド映画とは一味違
う気分が楽しめるものだ。
それにしてもクライマックスは、1964年『博士の異常な愛情
または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するよう
になったか』へのオマージュなのだろうか?
公開は9月11日より、全国一斉のロードショウとなる。
08月09日(日)
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