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On the Production
by 井口健二
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■ヤギと男と男と壁と、終着駅、老人と海、スープ・オペラ、オカンの嫁入り+製作ニュース
された“Jason Bourne”シリーズの続編が計画され、“The
Bourne Legacy”と題されたその作品の脚本執筆を、前3作
を担当したトニー・ギルロイと契約したことが報告された。
このシリーズに関しては、原作者のロバート・ラドラムは
2001年に他界しており、そのラドラムが残したボーン・シリ
ーズは3作までしかなかった。ところが、シリーズの映画化
が開始された後に、エリック・ヴァン・ラストベーダーとい
う作家が、原作者の遺族の許可を受けて続編の執筆を開始。
その作品が、2004年に発表された“The Bourne Legacy”。
またラストベーダーは2007年にも“The Bourne Betrayal”
と“The Bourne Sanction”という2作品も発表している。
その小説の続編と同じ題名の映画が計画されているものだ
が、ギルロイの契約ではその小説の脚色を求められているの
ではなく、前3作のキャラクターに基づいた別の物語が描か
れるとのこと。これは、『ターザン』の時代から続いている
ハリウッド映画の慣習に基づくもので、映画会社は同じキャ
ラクターの作品を3本作れば、その後はそのキャラクターを
使って自由に続編を作れるとのことだ。そんな権利を駆使し
ての今回の第4作の計画となっている。
ただし今回の計画では、実は前3作で主人公を演じたマッ
ト・デイモンの再演が決定されていない。この点に関して、
この再演にはデイモン側が前2作を手掛けたポール・グリー
ングラス監督の起用が条件としているのだが、監督には再度
挑戦する気がない、ということのようだ。
とは言え、ギルロイの脚本が抜群に良ければ、監督もデイ
モンも気が変わる可能性がない訳ではないが、計画を進める
ユニヴァーサルでは2012年の全米公開を期待しているとのこ
とで、彼らの変心を待つには多少時間が短いようだ。それに
同じJBの頭文字で長期に渡って最も成功していると言われ
るシリーズでも、主演俳優は次々と交替している訳で、その
辺はそれほど気にすることでもないとも言えるところだ。
* *
そして最後は、正に続編の計画で、今春公開された『タイ
タンの戦い』に“Clash 2”の計画が発表されている。
この計画では、元々『タイタン』は1981年作品のリメイク
で、そのオリジナルの物語はほぼ描かれてしまっているもの
だが、今回は2009年9月に紹介したホラー映画『エスター』
のデイヴィッド・レスリー・ジョンスンと、2008年6月16日
付第161回で紹介した“Jonny Quest”の脚本も担当している
ダン・マゼウの2人が脚本を契約して、新たな物語が作られ
ることになっている。
製作時期などは未定だが、物語ではデミゴッドのペルセウ
スが挑戦する新たな冒険を描くもので、そのため前作に主演
したサム・ウォーシントンの再演は大いに期待されていると
のこと。ただし、監督のルイス・テリエは続編を担当しない
決意だそうで、監督には新たな人材が起用されることになり
そうだ。
因に今春公開された作品の興行収入は全世界で5億ドルを
突破しているとのことで、ワーナーとしては手堅く稼げる作
品という評価のようだ。また映画の製作は、前作で使われた
2D→3Dのコンヴァージョンではなく、最初から3Dで撮
影する方針とのことだ。
06月13日(日)
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