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On the Production
by 井口健二
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■東京喰種 トーキョーグール、新感染 ファイナル・エクスプレス
市で行ったインスタレーションと呼ばれる芸術について記録
したドキュメンタリー。芸術家の作品は日本でも金沢21世紀
美術館などに展示があるようだが、インスタレーション芸術
はその場で体験しないと理解し辛いものだ。本作に登場する
「ウォーターフォールズ」にしても、恐らく現地でそれを観
た人にはいろいろ感慨も湧くのだろうが、そうでない者には
何とも評価の糸口も見つからない感じだった。かと言って芸
術家に一方的な芸術論を繰り広げられても困ってしまうとこ
ろだが…。公開は8月5日より、東京はアップリンク渋谷、
横浜ジャック&ベティ他にて、全国順次ロードショウ。)
『心が叫びたがってるんだ。』
(2013年8月紹介『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らな
い』と同じ監督長井龍雪、脚本岡田磨里、キャラクターデザ
イン田中将賀が再結集した2015年公開アニメーションを実写
映画化した作品。2015年の作品も試写で観ているが、2013年
作品と同様の違和感があり、ここでの紹介は割愛した。その
作品の実写版だが、実写の効果なのか違和感は解消されてい
た。物語は家庭内の出来事で言葉を失った少女と、彼女を支
えて祭りを成功させようとする学友たちを描き、特にクライ
マックスの緊張感が巧みに演出されて感動に繋がっていた。
出演はジャニーズ「Sexy Zone」の中島健人、NHK朝ドラ
の芳根京子。他に石井杏奈、寛一郎。公開は7月22日より、
東京はTOHOシネマズ日本橋他にて、全国ロードショウ。)
『サーミの血』“Sameblod”
(2016年11月4日付「東京国際映画祭」で紹介、審査員特別
賞および最優秀女優賞を受賞した作品の日本公開が決まり、
再度試写を見学した。映画祭では予備知識なしで観てしまう
が、今回は2度目でもあり、その分の理解は進んだ。その中
で映画祭ではサーミ人の風貌が様々なことも気になったが、
映画の中に混血が進んでいることを伺わせる台詞があり、そ
れ自体が差別の結果であるような雰囲気も伝わってきた。因
に映画祭では当初監督の来日が危ぶまれ、その後もそそくさ
を帰国してしまったが、その理由が「トナカイの世話に追わ
れている」というのも理解できたところだ。公開は9月16日
より、東京はアップリンク渋谷、横浜ジャック&ベティ他に
て、全国順次ロードショウ。)
『笑う故郷』“El ciudadano ilustre”
(2016年ベネチア国際映画祭で最優秀男優賞を受賞したコメ
ディドラマ。故郷のアルゼンチンを離れスペインで暮らして
いた作家がノーベル文学賞を受賞し、故郷の街の名誉市民に
推挙されて故郷に凱旋することになる。しかし彼の作品の多
くは故郷の街を舞台にしたものであり、街の住人には様々な
思いがあった。小説家の友人は多いが、これはある意味作家
アルアルなのかな。物語は過去にもありそうな展開だが、特
に独裁政権や市民革命が繰り返された国では、その根は深く
なりそうだ。政治色は薄いがそんな民間の思惑が巧みに描き
込まれた作品だ。因に映画はスペインとアルゼンチンの合作
で製作されている。公開は9月16日より、東京は岩波ホール
他にて、全国順次ロードショウ。)
『もうろうをいきる』
(題名は漢字で書けば『盲聾を生きる』となるのだろうが、
目も見えず耳も聞こえない人たちが日本には推定14000人も
いるのだそうだ。その人たちの生活やその人たちを支援する
活動を描いたドキュメンタリー。自分が生まれ育った町には
盲学校と聾学校があったので、そういう人たちを見る機会は
多かったし、そのせいか今でもその類のドキュメンタリーは
率先して観るようにしているつもりだが、その両方が重なっ
ている状況は考えるだけでも胸が詰まる思いがする。でもそ
の人たちの懸命に生きる姿を見ると、その支援の輪は広げた
いと思うし、この映画でその輪が広がることを願うものだ。
公開は8月26日より、東京はポレポレ東中野他にて、全国順
次ロードショウ。)
『スキップ・トレース』“Skiptrace”
(2017年6月4日付題名紹介『レイルロード・タイガー』に
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07月02日(日)
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