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On the Production
by 井口健二
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■マン・オブ・S、レッド・ドーン、ワールド・ウォーZ、パシフィック・リム、陸軍登戸研究所、標的の村、リトルファイター、飛べ!ダコタ
ところが怪獣も進化し、ある戦いでの怪獣の反撃により兄が
戦死。精神の一部を奪われたような主人公には、もはや戦う
力は残っていなかった。こうして主人公はもう1つの対抗策
である巨大防護壁の建設に従事していた。
そして年月が過ぎ、巨大ロボットの開発にも限界が見えてき
たとき、怪獣に新たな進化が報告された。その怪獣に対して
はもはや対抗手段は無いかに見えたが…。この状況下で主人
公が戦線に復帰し、新たなパートナーを見つけてゆくドラマ
が描かれる。
それにしても、怪獣vs.巨大ロボットという現代日本の映像
カルチャーの代表と言える2大要素が激突する作品で、日本
のジャンル映画を愛する人には必見の作品だ。
出演は、2003年11月紹介『ケイティ』がデビュー作というチ
ャーリー・ハナム、2011年6月紹介『マイティー・ソー』に
出演のイドリス・エルバ、そして2007年1月紹介『バベル』
で米アカデミー賞にノミネートされた菊地凛子。
また2011年9月紹介『モンスター上司』などのチャーリー・
デイ、『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』などのロン・
パールマン、2009年7月紹介『アドレナリン/ハイ・ボルテ
ージ』などのクリフトン・コリンズJr.らが共演。さらに人
気子役の芦田愛菜がハリウッド映画デビューを飾っている。
原案と共同脚本は、2010年4月紹介『タイタンの戦い』など
のトラビス・ビーチャム。ビーチャムのオリジナル脚本に、
怪獣及びメカオタクとしても知られるデル=トロがいろいろ
なアイデアを盛り込んで物語を作り上げている。
なお試写会場で永井豪さんと一緒になり、話しながら出てき
たら映画会社の人が心配そうに立っていた。しかし永井さん
は良い人なので、そこはにこやかに応対していたが、会社側
は月末に来日するデル=トロ監督との対談も要請していたよ
うだ。映画には「マジンガーZ」の用語も出て来ており、実
現したら面白そうだ。
『陸軍登戸研究所』
神奈川県川崎市生田の丘陵、今は明治大学生田キャンパスの
立つ場所に、1937年設立された陸軍第九技術研究所(別名:
登戸研究所)の実態を、当時の関係者らへのインタヴューを
基に纏めたドキュメンタリー。
1919年に毒ガス兵器の研究のために東京新宿戸山ヶ原に発足
された陸軍科学研究所を母体として設立された陸軍登戸研究
所は、スパイ養成所である陸軍中野学校などとも手を組み、
偽札作りやカバンに仕掛ける隠しカメラの開発など、様々な
秘密兵器の研究を行っていた。
しかしその実態は、秘密厳守の徹底の下に当時の研究員らも
自らの研究対象以外のことはほとんど知らなかったという。
そんな登戸研究所の旧職員らに、6年の歳月を掛けて取材し
纏められた作品だ。この取材は今後は関係者の生存も厳しく
なるから、おそらく最後のチャンスだったとも言える。
その具体的な内容では、前半には怪力線と称する殺人光線の
話なども登場して、これには20m先の小動物ぐらいは殺す威
力があったというから、それなりの成果があったようだ。そ
してその実験には皇族も見学に来たというが、その際のエピ
ソードなどはなかなか面白いものだった。
ただし、3時間の上映時間の大半は当時の関係者らに対する
インタヴュー映像で、それに対する物的証拠などはほとんど
提示されないから、その辺は多少面はゆい感じも否めない。
殺人光線のくだりでも、皇族も映る写真は登場するが、もう
少し研究そのものの証拠も欲しかったところだ。
その一方で、同じく登戸研究所開発の風船爆弾に関しては、
かなり具体的なものも提示される。ここでは関係者が多いた
めか時間も多く割かれていたが、実は僕自身が以前から興味
のあった者としては、先に文献などで知っていた話が多く、
ここはもう少し短くても良かったと思えたものだ。
そして後半では偽札作りの話が出てくるが、実は戦時中には
相手国の原版が入手できたのでほとんど成果はなかったそう
だ。しかし戦後になって米軍に雇われた研究者は偽パスポー
ト作りなどで成果を上げたようで、このため登戸研究所から
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07月10日(水)
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