ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460210hit]
■グラン・ブルー、トイ・ストーリー3、アイ・コンタクト、シルビアのいる街で、セックス・アンド・ザ・シティ2+製作ニュース
因に上記の原題は東京映画祭でのものを採用したが、“Dans
la ville de Sylvia”の原題もあるようだ。
物語は、フランス・ドイツ国境のストラスブールの街を舞台
に、シルビアという女性の面影を追う若者の行動が、カフェ
や路面電車、路地裏の家並みなどの美しい街の風景と共に描
かれる。
主人公は、最初はカフェのテラスに座って周囲の女性たちを
スケッチしている。その内に主人公はその中の1人の女性に
目を留め、その女性が席を立つと、自分も立ち上がって彼女
の後を追いかけ始める。
ここまでの様子が、カフェのウインドウの反射やウインドウ
の手前、あるいはその向こう側の映像などが効果的に描写さ
れて表現されて行く。そしてここからは、女性の後を追って
路地裏などをさまよう主人公の姿が描かれるが…
実は、上記の主人公の行動の訳は映画の後半になってから明
らかにされるもので、それまではただのストーカーとしか見
えない。後半で理由が明らかにされると、それはまあ納得も
するのだが、僕は正直、前半では多少苛つきも感じていた。
それに映画には随所に長廻しの映像があって、それは正しく
アーティスティックでその辺も苛つきの原因になっていたの
だが…。その中にいくつか繰り返しの要素があったりして、
それがだんだん楽しめるようになってくる仕掛けではあった
ようだ。
まあ、観終われば悪い感じは残らないし、それは特に女性の
キャラクターの描き方が良い感じもした。それにカフェなど
で描写される数多くの女性たちの美しさも、観ていて楽しめ
る作品だ。
出演は、主にテレビや舞台で活躍しているというフランス出
身のグザヴィエ・ラフィットと、2008年9月紹介『アラトリ
ステ』にも出ていたというスペインのピラール・ロペス・デ
・アジャラ。どちらも美形で、女性には好かれそうだ。
『セックス・アンド・ザ・シティ2』
“Sex and the City 2”
2008年6月に紹介した往年のテレビシリーズからの映画化の
第2弾。前作ではそれぞれが幸せを掴んだはずの4人組のそ
の後が描かれる。
前作から2年が経ってのお話。前作で結婚を勝ち取ったベス
トセラー作家のキャリーは、2年を掛けて家具などを整えた
新居で暮らし始めたものの、何かがしっくりと来ない。そし
て原稿の締め切りを口実に、仕事場の元のアパートに籠もっ
た彼女だったが…
やがて新居に戻った彼女を夫はリフレッシュした感じで迎え
てくれる。ところが、そこで夫が切り出したのは、毎週2日
間は別々に過ごそうという提案だった。その提案に戸惑いを
覚えるキャリー。
その他、敏腕弁護士のミランダは男尊女卑の上司の言動に我
慢の限界を迎えそうになっており、主婦のシャーロットは反
抗期の娘と優秀だが魅力的すぎるベビーシッターの登場に悩
んでいる。そして独身のサマンサは到来する更年期に抵抗し
ようとしているが…
そんな4人組が、とある切っ掛けでアブダビ旅行に招待され
て…。前作でもメキシコ旅行のエピソードがあったが、本作
ではさらに遠い国でのトラブルや思い掛けない過去の男性と
の再会などが描かれる。
出演は、製作も兼ねるサラ・ジェシカ・パーカーと、キム・
キャトラル、クリスティン・デイヴィス、シンシア・ニクス
ンのオリジナルの4人組が再結集、さらにクリス・ノース、
ウィリー・ガースン、マリオ・カントーネらの馴染みの顔触
れが再登場している。
また本作では、巻頭で華麗なショウを繰り広げるライザ・ミ
ネリや、マイリー・サイラス、ペネロペ・クルスらのゲスト
出演も魅力的だ。その他にもファッション関係のゲストもい
ろいろ登場しているそうだ。
基本的には女性による女性のための作品という感じの作品だ
が、中には人生の全般に対する示唆のようなものもあって、
男性でもそれなりに楽しめる。それに本作では、巻頭のミネ
リのショウを含むパーティシーンがゴージャスで、それを観
るだけでも堪能できた。
さらにはアメリカ人のアラブに対する偏見のようなものもい
[5]続きを読む
05月30日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る