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On the Production
by 井口健二
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■ストロベリームーン、ブライアン・エプスタイン世界最高のバンドを育てた男、やがて海になる
サン、エミリー・ワトソン、ブレイク・リチャードソン、ジ
ョナ・リース、ダーシー・ショウらが脇を固めている。
監督はジョー・スティーヴンスン。2017年には俳優イアン・
マッケランを追った長編ドキュメンタリーも手掛けたという
監督がマネージャーの真実に迫ったものだ。
劇中には何度か演奏シーンはあるが、そこではザ・ビートル
ズの楽曲はほとんど演奏されない。その代わりに「ベサメ・
ムーチョ」などザ・ビートルズが世に出る前に演奏していた
カヴァー曲などが聞こえる仕組みだ。
これは権利の問題などもあったのかもしれないが、本作はザ
・ビートルズを描くのではなく、ブライアン・エプスタイン
を描くのだから、敢えてその楽曲は避けたようにも取れる。
多分そういう監督の意思の表れだろう。
ただまあ描かれるエピソードの殆んどは彼の性癖やリンゴ・
スターの加入など、すでに他の作品でも描かれたものが多い
から、その点での目新しさは少なかったかな。最初のレコー
ド会社の来歴などは面白かったが。
また日本やフィリピン公演でのトラブルなどは、その後の情
勢を知って観ると面白いものはあった。そんな歴史も感じさ
せてくれる作品だ。
公開は9月26日より、東京地区はTOHOシネマズ日比谷シャン
テ他にて全国ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社ロングライドの招待で試写を観
て投稿するものです。
『やがて海になる』
広島県江田島を舞台に、地元を離れられない男と地元を離れ
て都会に出て行った男の行く末を、江田島出身の沖正人監督
が自らの脚本で描いた作品。
主人公は故郷を出て映画の道に進み、発表した作品は好評の
ようで、そんな男が新作の撮影のために故郷に戻ってくる。
その情報は地元のテレビでも紹介され、そんなニュースを地
元で暮らす男女2人が見つめていた。
その1人は数年前に父親を亡くした男性。その父親が残した
農地は親戚に任せ、自分はやるべきことも判らないまま半分
フリーターの様な生活だ。そしてもう1人はクラブで雇われ
ママの女性。
そんな3人は高校時代の同級生で、その時代の姿は夢のまた
夢だった。そんな3人が再会し物語が動き出す。
出演は三浦貴大、武田航平、咲妃みゆ。その高校生時代を市
村優汰、後藤陽向、川口真奈。さらにドロンズ石本、武田幸
三、高山璃子、山口智恵、緒形敦、柳憂怜。また占部房子、
白川和子、大谷亮介、渡辺哲らが脇を固めている。
僕自身は湘南生まれの湘南育ちで、今は東京に住んではいる
が隣接県ではあるし自分で故郷というものをあまり意識した
ことがない。従って主人公のような思いは湧かないが、逆に
他の2人のような思いもないものだ。
つまり僕にとって本作の登場人物たちの思いは想像でしか考
えられないもので、その点で僕はこの作品の観客には適さな
いと感じてしまった。でもこういう思いを共有できる人は多
いのかな。そんなことは考えた。
ただそれにしても、3人3様の物語が少し重すぎる感じはし
て、しかもその解決が物足りない。上映時間の中で全てを描
き切ることは難しいかもしれないが、もう少し切り分けて多
少なりとは深い話に出来たようには感じられた。
でもまあ2つの時代3人の物語をここまでまとめ上げた手腕
は評価するべきものだろう。まだまだ習作、これからが楽し
みな監督ではある。
公開は8月29日より広島・八丁座、9月5日より呉ポポロシ
アターにて先行上映の後、東京地区は10月24日からヒューマ
ントラストシネマ渋谷他にて全国順次ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社ムービー・アクト・プロジェク
トの招待で試写を観て投稿するものです。
08月10日(日)
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