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On the Production
by 井口健二
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■ピアニストを待ちながら、BISHU 世界でいちばん優しい服、ほなまた明日、とりつくしま
主演は2020年『ミッドナイトスワン』で多くの受賞に輝いた
服部樹咲。共演は岡崎紗絵、吉田栄作、長澤樹、黒川想矢、
さらに知花くらら、清水美沙、田中俊介、山口智充、近藤芳
正、吉澤健らが脇を固めている。
脚本と監督は、東京藝術大学大学院映画専攻監督領域卒で、
修了制作作品が2019年「えいじゃないかとよはし」映画祭で
初代グランプリに輝いたという西川達郎。共同脚本に同専攻
脚本領域卒の鈴木史子。
また音楽を坂本龍一に見出されたという小山絵里奈。さらに
衣裳デザイン/監修を2002年生まれで新人デザイナーの登竜
門とされる2022年「第96回装苑賞」受賞の大下彩楓が手掛け
ている。
主人公はアスペルガー症候群と思われるが、この障碍を持つ
人が特定の分野でとんでもない天分を発揮することはよくあ
る現象とされる。本作はその典型で、そんな主人公を描いた
映画は近年よくある状況だが…。
実は自分の生家が呉服屋だったもので、本作の題材には親近
感が生じてしまった。そんな中で、生家は京呉服中心だった
から絹織物。従ってウールは少し下に見がちだったが、その
手触りの良さなどはよく覚えていたものだ。
本作を観ていてそんな手触りの良さも思い出してしまった。
そんな衣服の暖かさもしっかりと感じさせてくれる作品だ。
因に本作は、東海地方が舞台の全国公開映画を製作公開する
「シントウカイシネマ聖地化計画」の第一弾となっている。
公開は10月11日より、東京地区はTOHOシネマズ日比谷他にて
先行上映の後、10月18日から全国拡大上映となる。
なおこの紹介文は、配給会社イオンエンターテイメントの招
待で試写を観て投稿するものです。
『ほなまた明日』
2018年4月22日付題名紹介『カメラを止めるな』が大きな話
題を呼んだ「ENBUゼミナール」製作映画の第11弾。なおこの
第11弾は2作品ある内の1本。
物語の舞台は大阪の藝術大学。その写真専攻学科では若い才
能が切磋琢磨する中で、1人の女性が頭抜けていた。そして
各自は写真家のアシスタントや写真スタジオなどの道を目指
す中で、彼女だけはいち早く才能を開花させて行く。
そんな女性に振り回されつつも彼女の才能をねたむわけでも
なく、そんな仲間たちの青春群像が描かれて行く。そして数
年後、海外で活躍する彼女の凱旋帰国が伝えられ、仲間たち
が再び集まる日がやってくる。
主演は田中真琴。共演に松田崚汰、重松りさ、秋田卓郎。他
に大古知遣、ついひじ杏奈、越山深喜、ゆかわたかし、加茂
井彩音、福地千香子、西野凪沙らが脇を固めている。
脚本と監督はビジュアルアーツ専門学校大阪の出身で、学生
時代に撮った作品がぴあフィルムフェスティバル2018で審査
員特別賞を受賞。ndjc若手映画作家育成プロジェクト2021に
参加して『なっちゃんの家族』と言う作品を完成させている
道本咲希の長編第1作。
映画の前半は大阪が舞台で、写真家の主人公がいろいろな町
の風景を捉えて行く。それは東京で暮らす自分には目新しく
もあり、何かファンタスティックな雰囲気にも感じられるも
のになっていた。
そんな背景の中で繰り広げられる青春群像劇には、自分の青
春時代に照らしても懐かしさも感じられ、何とも心地よい時
間が流れていた。そこにはただ甘ったるいだけではない厳し
さも描かれ、現代の青春を見事に描いた作品と言えそうだ。
公開は9月28日より、東京地区は新宿K's cinema他にて全国
順次ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社ENBUゼミナールの招待で試写を
観て投稿するものです。
『とりつくしま』
「ENBUゼミナール」製作映画第11弾のもう1本。歌人、小説
家の東直子が2007年に発表した短編集を、実娘の東かおりが
脚色、監督した作品。
物語の全体の設定は、人は死後に何か物体に憑りつくことが
でき、そこから現世に残した人を見守ることができるという
もの。しかしそこには様々な悲喜劇が誕生する。そんな物語
が4篇、オムニバスで映画化されている。
最初は「トリケラトプス」。結婚2年目で亡くなった妻が、
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08月11日(日)
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