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On the Production
by 井口健二
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■怨泊 ONPAKU、うんこと死体の復権、新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!、助産師たちの夜が明ける、クレオの夏休み
触れたドキュメンタリー『園子温という生きもの』を手掛け
た大島新と前田亜紀。撮影は松井孝行と監督補も務める船木
光、それに前田亜季。編集は斉藤淳一が担当している。
上映前にプロデューサーの大島から「最初の30分は耐えられ
ない人も居るようだが、我慢して欲しい」というような説明
があった。それは確かに人間の排泄物が登場するのだから、
この手の映像は嫌悪感を抱く人も居るようだ。
実際に本作の公開で当初予定した配給会社からはそれが問題
とされて配給を拒否されたそうだ。とは言っても映像を観る
ことを生業としている者が何を甘ったれているのか、という
感じもしてくる。
大体、そんなことを言っていたら大腸がんの検査など受けら
れなくなってしまう訳で、僕なんかは2日分の検体を採取す
るために自分で毎年2回それと対峙しているものだ。それに
比べたら映像はどうということも無い。
そんな映像で始まる作品だが、内容的には人間の営みに関し
て様々な示唆に富んだ見事な作品と言える。これを観れば排
泄物と死体に対する見方は確実に変わってくるはずだ。まあ
観ること自体が拒否されては元も子もないが…。
取り敢えずこれを観る機会を与えてくれただけでも感謝した
いと思う作品だった。
公開は8月3日より、東京地区はポレポレ東中野他にて全国
順次ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給の合同会社きろくびとの招待で試写
を観て投稿するものです。
『新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!』
本作原案の宮川彰太郎が高校生の時に創案し、日本大学藝術
学部・映画科在学中の課題として書き上げた企画書に同科の
非常勤講師を務めていた直井卓俊が目を留め、直井の企画・
製作で映画化した青春ドラマ。
主人公は憧れの新進作家が在籍するという文科系の高校に入
学した女子生徒。そこで文学コンクール連覇中のエリート文
芸部への入部試験に挑んだものの、あるトラブルから試験の
途中棄権を余儀なくされ、入部は叶わなかった。
ところが文芸部の部長から衝撃の事実が告げられる。それは
彼女の憧れる作家が実は文芸部には在籍しておらず、その存
在も謎。そこでその鍵を握っている新聞部に潜入して謎を解
き明かしたら入部を認めるというのだ。
斯くして新聞部に入部した主人公だったが、そこは学校から
非公認で、学内に潜む闇をスクープすることに信念を燃やし
ている場所だった。こうして新米記者となった主人公は、文
芸部を取り巻く闇に直面して行くことになるが…。
出演は、櫻坂46のメムバーでセンターも務める藤吉夏鈴、
2022年12月紹介『Single8』などの熕ホあかり、雑誌「non-
no」の専属モデルで2018年7月15日付題名紹介『青夏 きみ
に恋した30日』などに出演の久間田琳加。
他に中井友望、綱啓永、外原寧々、ゆうたろう。さらに筧美
和子、石倉三郎、高嶋政宏らが脇を固めている。
映画用の脚本は2018年7月紹介『ウルフなシッシー』などの
大野大輔。監督は2012年11月紹介『ももいろそらを』などの
小林啓一。音楽と主題歌を福岡出身の4人組バンド・クレナ
ズムが担当している。
典型的な学園ものという感じの展開だが、物語は意外としっ
かりしていて、巨悪に対抗する姿などはそれなりに説得力も
あった。しかもそれを解りやすく描いているところも好感し
たものだ。
まあ正直に言ってそれ以上でも以下でもないけれど、それな
りの社会正義みたいなものも描かれているし、作戦を巡らし
て巨悪に対抗し、勝利する達成感みたいなものも描けている
のは良かった。
それは青臭いものでもあって、その辺が青春という感じなの
も良いと感じたものだ。加えてちんたらした恋愛劇みたいな
ものがないのも良かったところだ。
公開は8月9日より、東京地区はテアトル新宿、グランドシ
ネマサンシャイン池袋、ヒューマントラストシネマ渋谷、UP
LINK吉祥寺、立川シネマシティ他にて全国ロードショウとな
る。
なおこの紹介文は、配給会社東映ビデオ、スポテッドプロダ
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06月02日(日)
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