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On the Production
by 井口健二
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■隠された時間、東京タワーお化け屋敷第3弾「東京タワーに届いた柩」
で、実は自分が体験した時には何も知らずに観てしまった。
とは言えその怖さは事情を知らなくても充分に伝わってくる
もので、蝋人形という存在自体がオドロオドロしく、その雰
囲気だけで存分に楽しめた。
しかも今回は内部がかなり暗くて、一部は手探りで進んで行
かなくてはならないほど。これは全部作り物だと頭で理解し
ていても精神的な恐怖感は相当に感じられるものだ。そして
今は背景を知った上でもう一度観たくなる、そんな気分にも
襲われている。
残念ながら今回は次の予定があって2度観することは叶わな
かったが、繰り返し見ればいろいろ細かいところにも凝って
いそうな作り込みも感じられた。一般公開ではリピーターも
出てくるのかな? それくらいの出来栄えにはなっていると
思えるものだ。
因に登場する蝋人形などはロボットではなく、実際に劇団の
俳優がメイクをして演じているもので、細かい仕草や入場者
への対応などがリアル。特に1人で入場した僕は、途中で女
性に見つめられた時には正直ドキドキした。この感覚は複数
人では味わえないかもしれないが。
それにしても東京タワーは、2013年まで蝋人形館が常設され
ていた場所で、そこにこの題材はかなり思い切った感じでも
ある。蝋人形館にはそれなりの雰囲気もあるし、この企画が
閉館を惜しんだ当時のファンにもアピールできると面白い…
とも思えたところだ。
会場が都心の東京タワーの下というロケーションも良いし、
入場料大人900円、子供600円というのも手ごろで、手軽に楽
しめるお化け屋敷。
会場の入り口には本編に登場する木箱を模した顔出しが設置
され、これが公開前なのにかなりの撮影者で賑わうなど評判
になっていた。それも面白いところだ。
この週は他に
『REBECCA〜1985.11.1早稲田大学〜』
(6月25日に紹介したDVDに同梱されるDisk 2をサンプル
で提供して貰えたので鑑賞した。実はこの映像も6月25日に
上映の予定だったが、Disk 1の本編時間が長くなった影響な
どで割愛されたようだ。それで本作は、この年の雨の早稲田
祭に飛び入り出演した時のもので、野外のテント前の舞台で
の演奏となっている。それで前回の紹介では画質の点で少し
不満を書いたが、劇場のスクリーンではなく家庭用のディス
プレイで鑑賞するとそれは気にならなかった。寧ろNTSC
の映像をHi-Visionにコンバートしてもこれだけの映像にな
ることに感心するほどだった。過去には2曲だけがリリース
された映像の今回は完全版とのことで、ファンには貴重な作
品だろう。DVDは7月26日に発売される。)
『禅と骨』
(アメリカ人の父と日本人の母の間で戦前の日本に生まれ、
戦況が厳しくなって渡米するも日本国籍のために強制収容所
に送られ、そこでも父親譲りの風貌のために迫害を受ける。
しかし戦後は日本に戻り、禅宗の僧侶として修行。さらに晩
年には「赤い靴」の童謡に隠された物語の映画化を試みた…
というヘンリ・ミトワの生涯を描くヒューマンドキュメンタ
リー。僕は強制収容所や「赤い靴」にも関心があったので、
興味深く観させて貰った。ただし本人が人間的にはかなり問
題があって、取材中の不機嫌な様子などには多少退いてしま
うところもある。なお作中にウエンツ瑛士、余貴美子らが出
演の再現ドラマも挿入される。公開は9月2日より、東京は
ポレポレ東中野他にて全国順次ロードショウ。)
『ゴーストロード』
(ラジオ・パーソナリティなどを務めるマイク・ロジャース
という人の企画製作脚本で、インディロック・シーンで活躍
するミュージシャンが出演するファンタシーの要素のある作
品。主人公は人気の低迷するバンドのフロントマン。彼が手
に入れたヴィンテージのアンプを始動すると白煙が発し謎の
黒人が現れる。その黒人は魂と引き換えに究極の曲を与える
と誘うが…。悪魔物の典型と言えそうな展開の物語だが、映
画の中では主人公たちのバンドを含めた楽曲が何曲も演奏さ
れ、ファンはそれは目当てだろうし、それで充分に機能して
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07月16日(日)
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