ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File079】遥かなるリトル・ビッグホーン・・・多勢に無勢【中編Vol.2d】
さあ、カスター絡みの書き込みも既に4話目。観戦武官の皆さまに置かれましては、長々とお付き合いありがとうございます。それでは前置きはさて置き、早速行って見ましょう。物語は運命の1876年6月25日を迎えます・・・その日一体何が起こったのか・・・それでは開演《開演ブザー》です。いつものように携帯電話の電源はお切り下さい。【いつもの如く、この書き込みに史料的価値はありません】

1876年に至る状況
カスターのブラック・ヒルズ探査隊の報告に基づき、合衆国政府は、1875年ブラック・ヒルズ買収の為の交渉使節(アリソン委員会/交渉条件は買取ならば600万ドルで15年月賦、或いは賃貸なら年間40万ドル)を派遣しましたが、スー族側(和平派のみ/抗戦派シッティング・ブルやクレージー・ホースは参加せず)には売買の意図は無く(元来土地私有の価値観念のないインディアンにとっては、白人が土地に値段をつける事自体が理解出来なかった。結局彼らにとって神聖な数字である7≠基に「7000万ドル以下では売らない」と吹っかけたようである)交渉は決裂。合衆国政府は、これに対する制裁としてララミー条約によって認められているはずであったスー族の冬季狩猟(居留地外)を禁止(1875年12月6日)し、既に狩猟に出発していた部族に対しては1876年1月31日までに居留地へ帰還するように通告しました。そして、もし帰還しなければ、それは「合衆国政府に対する戦争行為」と見なす・・・と(でも全部族の帰還は実質的に不可能・・・連絡手段が無く狩猟場所も解らないので・・・結局は戦争の為の口実・・・)遂に1876年2月1日合衆国陸軍最高司令官シャーマン将軍はシェリダン将軍の部隊に出動を命令(「冬の作戦」開始)し、ララミー条約による「短き平和」は終焉を迎え、再び戦乱の時代が始まりました。

パウダー川の戦い
シェリダン将軍は、アリゾナでアパッチ族追討戦を実施していたジョージ・クルック准将(その髭面から「灰色の狐」と呼ばれており、インディアンの生活慣習や文化、風習を熟知)を北部ダコタ軍管区司令官を任命しました。彼は部隊の機動性を向上する為、物資輸送に幌馬車隊と共にラバ隊を利用、また元来スー族やシャイアン族と敵対していた部族(クロウ、ポウニー、ショショーニ、アリカラ族等)を部下(斥候隊や奇襲部隊)として用い効果を上げていました。その頃スー族の集団はシッティング・ブル指揮の下、さらにシャイアン族やアロパホ族なども吸収し、数千の部族連合となっていたのですが、インディアン側が小集団に分散し行動していると判断したクルック准将は、掃討作戦が簡単に遂行できるものと考え3月中に作戦を開始。しかし初夏のような陽気が数日後にはうって変わって目もくらむ雪嵐に変わるような平原の気候に振り回され立ち往生し、インディアン側の気候と地勢を利用した神出鬼没のゲリラ戦に振り回され、大きな損害を出し退却を余儀なくされ冬の作戦≠ヘ失敗に終わりました。第1ラウンド・・・インディアン側勝利

ローズバット・クリークの戦い

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03月15日(土)
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