ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File088】カチンの$Xのエニ′Fさん・・・【ネタバレ警報/前編】
20世紀末に共産圏を席捲した自由化の波は、遂には鉄のカーテン≠突き破り、ソビエト連邦の崩壊へと繋がりました。これによって旧体制化に極秘とされた多くの史料が歴史の日の目を見る事となります。そんな中1992年7月始め、モスクワのロシア国立公文書館において、ひとつの発見がありました。それは直筆の日記・・・誰あろうナチスドイツの宣伝相ヨゼフ・ゲッペルスの日記だったのです。そしてその1943年9月29日の日記が、世界中に波紋を巻き起こします。そこに書かれていた文章とは・・・「遺憾ながら我々は、カチンの森の一件から手を引かねばならない。ボリシェビキは遅かれ早かれ、我々が12,000名のポーランド将校を射殺した事実を嗅ぎ付けるだろう。この一件は行く行く我々に大変な問題を引き起こすに違いない」・・・。はたして真相は・・・。この記事については、私ATFは記事の出所を確認していません。なんでも1992年10月に発行された雑誌『中央公論』の中で作家の逢坂剛氏が関連した記事を執筆しているらしいのですが、その記事は未確認です・・・。ここ書いた記事のネタ元は、ネット上で「カチンの森の虐殺」を検索していて偶然見つけたサイトの中に記載されていたものです。別のサイトでも「カチンの森の虐殺については、つい最近のゲッペルスの日記の発見により検証されております。この中でゲッペルスは事の重大性を考え、極秘裏にしかも赤軍がやったような工作をしなければならない、との決意を述べています」という記載を見つけました。果たして真相は・・・。しかし以前ヒトラーの日記なるものがマスコミを騒がせた事がありますが、この日記も真贋が怪しいものでした。ゲッペルスが明らかに事件を実行したのがドイツ側である・・・と言及している史料が、何故共産党が未だ権力を握っている時点で公表されなかったのか・・・?まあ言わずと真実はハッキリしていると思われます。ココまで読んでいただければ、聡明なる観戦武官諸氏には真贋は明確にお分かりでしょう・・・。ところで2002年7月12日付のポーランドの新聞(ジェチポスポリタ紙)にこんな記事が載りました・・・映画「灰とダイヤモンド」などで知られ、同国を代表する巨匠アンジェイ・ワイダ監督(76)が「カチンの森」事件を題材とした新作映画の制作に乗り出すと伝えた。ワイダ監督は2000年に、卓越した業績を残した世界の映画人に贈られるアカデミー名誉賞を受賞。ポーランドの著名文化人らとともに今年、日本文化を総合的に紹介する「日本に魅せられて」を出版するなど、親日家としても知られる。第二次世界大戦中の1943年4月ソ連西部(現ロシア)スモレンスク郊外のカチンの森で、ソ連に抑留されていたポーランド人将校ら約4,000人の虐殺体が見つかった同事件は、長くナチス・ドイツの犯行とされてきたが、90年、当時のソ連のゴルバチョフ政権がソ連秘密警察の犯行だったことを認めた。脚本はポーランドの作家ウォジミエシュ・オドイエフスキ氏の書き下ろし。終戦直後の45年、兄弟をカチンで殺されたポーランド共産政権の将校が、ナチスの犯行との先入観を持って事件を調べるうちに、真相を突き止めるとのストーリーになるという。今年秋に撮影を開始するとしているが、公開予定時期は明らかにされていない・・・その後、この記事についての続報を聞いた事がありません(ATFが知らないだけなのか・・・?詳細をご存知の方、是非掲示板に御一報下さい)・・・そして公開されたのが、この『enigma』だった訳です・・・。
【前置きはこの辺で終わりにして・・・】
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05月24日(土)
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