ID:47402
ATFの戦争映画観戦記
by ATF
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■【File109】祝10万ヒット達成・・・Shall We タンク!再び【第二弾】
また最近ぴあ鰍謔阡ュ売された【山田洋次 作品クロニクル】によれば、あの馬鹿戦車は当時新潟県下の民間で使用されていた雪上車を300万円の経費で購入・改造されたそうである。当時、映画製作の予算が2,500万円だった事からすると、実に映画製作全予算の12%に及ぶ経費が、あの馬鹿戦車に使用された事になる・・・多分主演のハナ肇氏の出演ギャラよりも高かったのではないだろうか。その改造のベースとなった雪上車であるが、以前の観戦記では画像をご紹介する事が出来ず、防衛庁のサイトで発見した同型雪上車の陸自導入時の仕様書と三面図のコンテンツにリンクを貼っていたのだが、現在では防衛庁サイトが内容更新されてリンク出来なくなってしまった。そこで再度ネット上を探索した結果、何とか発見出来たのが、この大原鉄工所製KC40型雪上車である。前部エンジン上のボンネットが丸みを帯びて、何となく愛嬌を帯びたヘッドライトのレイアウト・・・表情から、いかにも民間仕様って感じが伝わって来る。それと改良型の陸上自衛隊に試験採用された大原鉄工所製五三式雪上車・・・ボンネットも角張って何となく軍用車両って感じがして来た・・・それにしてもKC40型と言い、この五三式と言い、幾ら日本国内での仕様だからって、座席部分がただの幌掛けだってのはチョットなぁ・・・これじゃ流石に寒いでしょ・・・積雪の上を走れるジープ程度の乗り物で、乗員の防寒性なんて殆んど考慮されて無い乗り物って事か・・・?

【馬鹿戦車の勇姿】
ところで『馬鹿が戦車でやって来る』に、私ATFはこれだけ入れ込んでいるのだが、未だこの作品を未見の方にとっては(  ̄o ̄)ハァ〜?って感じではなかろうか。そこで、ちょっとだけ馬鹿戦車の勇姿を、ここでご紹介しよう!ついでに、以前の観戦記において、この馬鹿戦車の事を・・・イメージ的には旧陸軍の九十四式軽装甲車の様に思えるが、砲塔には小口径砲を搭載し、さらに九十七式中戦車の如くアンテナフレームの様なものが取り付けられているし、車体後部には八十九式中戦車の様な超壕装置っぽいものまで付いている。愛國≠ネんて民間献納車両の名前が付けられていて、よくよく考えてみれば、日本の戦車の特徴を充分具現化・・・まるで絵に描いたような、将に戦車らしいタンク≠ネのだ・・・と紹介しているが、実際どれだけ具現化しているか、その検証も行って見たい。
まずは馬鹿戦車之勇姿@・・・馬鹿戦車の砲塔上でのハナ肇演じる元少年戦車兵サブロウの勇姿である・・・砲塔と上部ハッチが殆んど同じ大きさなのが解る。どうやらサブロウは、少年戦車兵学校でエンジン等の修理技術を身に付けたようで、サブロウの住む家の玄関にはトラクター修理≠ニ手書きした看板が掛っているのだが、戦後間もない、こんな貧乏な山村にトラクターなどあるはずもなく、殆んど商売になってない様だ・・・砲塔上に見える手擦り状の物体は無線用の鉢巻式アンテナと思われる・・・馬鹿戦車比較図@・・・同様の物は九七式中戦車(チハ)に取り付けられており有名である。八九式中戦車には車間無線が取り付けられておらず、車間での指揮・連絡を手旗で行う様子が、戦時中に製作された『西住戦車長傳(1940)』の中でも描かれていたが、流石にこれでは戦車の集団指揮運用に不便なので、新型の九七式中戦車には近距離用の車間無線器が取り付けられた。しかし、この鉢巻式アンテナは敵弾等によって破損し易かった為、後には直立式のアンテナへと改修され、他の車種では見られなくなる。

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05月10日(火)
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