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せきねしんいちの観劇&稽古日記
by せきねしんいち
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■帝劇女優
両国のシアターΧへ行く。シアターX名作劇場、水上瀧太郎作「地下室」と額田六福作「月光の下に」の二本立て。日本の近現代の短編劇を100本上演しようという企画。演出の川和孝さんは、とてもお世話になった方だ。僕が今、戯曲を書いているのも、彼に「書いてみたらどうですか」と勧めてもらったからだ。
このシリーズを見るのは、実に十年ぶりだ。キャストの宮崎敦吉くんから案内をもらった。彼とは、なぜか阿佐ヶ谷のアーケードでばったり会うことが多い(彼の地元なのだけれども)。
久しぶりに見た、名作劇場は、ああ、十年経ったんだなあと感慨深かった。
宮崎くんは、「地下室」でいやみな男を公演。
もう一本の「月光の下に」は、兄が医師として成功するために身を売って学費を調達した妹が、病院が開業するというそのときに、その過去が明らかになってしまうというお話。
女優さんが多く登場する芝居なのだけれど、セリフが要求する中身がとても濃くて、いまひとつそこまで行けていないようなもどかしさをかんじた。
それでも、終幕、過去が明らかになろうと、私は少しもかまわない、逃げ出さずにここで戦っていくと宣言する妹の姿がかっこいい。もう、感動とかそういうこと以前に、かっこよかった。
この作品は、大正7年に帝国劇場で初演されているそうだ。出演は、七世松本幸四郎に、森律子、川村菊江。帝劇女優たちだ。森律子は、その中でもトップスターだが、女優になったということで、一時期、女学校(跡見)の同窓会名簿から除名されている。また、実の弟が、友人に女優になった姉のことを非難されて自殺してしまう。手元の資料「物語近代日本女優史」(戸板康二)を見たら、大正5年のことだった。なんということだろう。
そんな事実の重みを知ると、この芝居のラストの妹の決意が、ただならぬものに思えてくる。
女が女優が、世間の不当な非難をものともせず、力強く、胸を張って生きていくのだという、高らかな宣言のように思えたラストシーン。
終演後、同じ回を見に来ていた山本健翔さん、宮崎くんとおしゃべり。
もちろん、川和さんにもご挨拶を。
家に戻り、富士見丘小学校の卒業公演「お芝居をつくろう」の演出プランを検討する。
次回、火曜日の授業までに全体のミザンセーヌを全部決めてしまわないといけない。
朝までがんばる。
02月08日(日)
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