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せきねしんいちの観劇&稽古日記
by せきねしんいち
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■「アル・ムルワッス劇団」 劇場下見
夜、「アル・ムルワッス劇団」をタイニイアリスに見に行く。
バグダッドから来日している劇団。
一部は、歌と踊りで、フォルクローレ風なもの。
初めに、初めて見る太ったギターのような楽器のソロ。
これが、津軽三味線のような曲弾きをする。
演奏している人の、入り込み方もまさに「津軽三味線」だった。
イラクも日本もアジアなんだなあと思う。
男性8人と女性2人のダンス、音楽はやはり見慣れない楽器+キーボードの生演奏。
合間合間にシンドバッドのような若者が登場してマイムで動く。
歌詞は全部、アラビア語なので、たまに聞こえる地名「バスラ」とかそんなくらいしかわからない。
古くから伝わる音楽を使っているそうなのだけれど、これがとっても「宴会」っぽくてよかった。
手拍子のうちかたが、全部「前拍」だったのも、日本の宴会のノリにちかく聞こえる理由かもしれない。
そのうちに、「ひとつとせ〜」という日本の数え歌のようにも聞こえてきた。
続く第二部は、パントマイムによるパフォーマンス。
二人の男がどこかに閉じこめられていて、出られないという状況。
こちらはちっとも、フォルクローレではなく、とても洗練されている。
多分にヨーロッパ的。
イラクは、日本なんかよりずっとヨーロッパに近いんだよなと改めて思う。
終演後、出演者といっしょにトークがあった。
いろんな質問に対して、とってもていねいに答えてくれた。
思ったのは、イラクは、日本なんかよりずっとずっと演劇先進国なんだということ。
イラクのどんな劇場でも、日本の国際フォーラムやタイニイアリスよりちゃんとしてるそうだ。
どのくらいの劇団があるのか、国際演劇祭はあるのか、日本に来ての印象は?
アメリカに占領されて変わったことは?
イスラム圏では女性の社会進出が難しいと聞いているが、劇団ではどうなのか?
シンドバッドを演じていた彼が、全部答えてくれた。
自分たちは演劇をしているのだということをきっちり言っていた。
戦争があろうとなかろうと自分たちは、演劇を使命だと思ってやっているのだという誇りが見えた。
イラク全部の代表ではなく、彼らは演劇人なのだということを改めて思う。
そして、イラクというと、まだまだ発展途上な国なんじゃないかという、見下ろす視線で会話していたことに気づき、恥ずかしかった。
日本の演劇の歴史は、歌舞伎、能、狂言をのぞけば、たかだか百年。
それよりずっと前から東西交流の要に位置していた国と日本では、日本の方がずっと後進国だ。
そのことを忘れているのは、まさにアメリカ的な感覚だよなあとも思う。
急遽、モリエールの小屋下見に行く。
22時15分から下見。モリエール集合。
集まったのは、のぐとまみーといっこうちゃん。良ちゃんは、こないだ見てきたそうだ。
ソワレ終演後、バラシ後ということで、きれいな空舞台。
初めての小屋なので、どうしようかとあれこれ考える。
当初は、いかにもオフィス風のパーテーションを使う予定だったのだけれど、高さが途中までしかないので、やはり黒幕を使おうと決める。
舞台の高さ、張り出しの大きさなどなど、基本的なことの確認。
10月12日(火)
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