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あんた何様?日記
by 名塚元哉
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■世界の現実と日本の“反原発”の距離感
世界の現実と日本の“反原発”の距離感
モーリー・ロバートソン「日本だけ脱原発……って、どうなんだろう?」(週プレ NEWS 7月11日)
「原発運動は“自壊”する」
今年1月、ツイッターー上でそう予言したひとりの人物がいる。
モーリー・ロバートソン。ミュージシャン、DJなどさまざまな肩書を持ち、
国際ジャーナリストとしても活躍中のアメリカ人だ。
いわく、「全原発の即時廃炉」を求める声だけが拡大され、
それ以外のことはなかなか口にできない空気に覆われている。
二項対立の世界観や話法に呪縛されたこの運動は、
遅かれ早かれ“現実の壁”にぶち当たって敗北する――。
関西電力・大飯(おおい)原発3、4号機の再稼働決定後、
脱原発運動は拡大しているようにも見えるが、やはり彼は「これは長続きしない」と言う。
現在の運動の問題点、そしてグローバルな観点から見た「日本の脱原発」の課題とは?
■海外メディアだってインチキは山ほどある
―今後、脱原発運動はしぼんでいくと予測されていますね。
モーリー はい。脱原発を目指すこと自体は、
理想とか将来に向けての目標としては至極健全だと思うんですよ。
だけど「やり方」がよくない。
脱原発という目的達成のためなら科学的、経済的、現実的な検証をしなくてもかまわないんだ、
という空気が定着してしまったじゃないですか。
瓦礫(がれき)は持ってくるな! 悪いのは政府だ! 電力会社なんか潰れてしまえ!
あのような怒りに任せた活動が、多くの人の共感を勝ち得るのは難しいですよ。
―そもそも、なぜこうなってしまったんでしょう。
モーリー 事故直後、日本政府とマスメディアの情報発信機能がダメダメになったとき、
欧米の新聞は「日本政府は隠蔽(いんぺい)している」という記事ばかりになりました。
それはそれで一部事実だったんだけど、
そこにつけ込んで妙な情報を発信する活動家みたいな人が現れて、
それがどんどん広がっていった。
「日本政府は国民を見殺しにしている」的な。
―それに、一般の人々もかなり煽(あお)られてしまったと。
モーリー 日本のマスメディアを疑うあまり、
海外のメディアや情報発信者を無条件に礼賛(らいさん)する人もいますが、
海外だっていろいろです。それこそあの当時は、世界中のタブロイドやインチキメディア、
エセ科学者やトンデモ系ジャーナリストが、あることないこと書きたてて盛り上がっていた。
そういう“飛ばしネタ”を紹介して「日本はもう滅亡するぞ」と言い放つ
活動家がいたのには辟易(へきえき)しましたが、
意外にもそれがけっこう広がってしまった。
メディアリテラシーの問題もそうですが、それ以前にもう少し英語のわかる日本人が多ければ、
あの玉石混交(ぎょくせきこんこう)を仕分けることができたのかなぁと思います。
―いまだに「日本が滅亡する」と思っている人は少ないでしょうが、
そうした言説が広がってしまった影響は今の反原発運動にも残っているような気がします。
モーリー 東電は利権を手放したくないから、みんなをがんにしてでも原発を推進する。
マスコミはそれに逆らえない。
そもそも原子力は、CIAが正力(しょうりき)松太郎をエージェントとして使って普及させた。
原発には「核兵器に転用できるプルトニウムの貯蔵庫」という役割があった……。
気づいた頃には、左翼活動の歴史観みたいなものが重なり合ってきました。
仮にその一部が本当だったとしても、
「原発依存の上に成り立ってきた豊かな日本」という現実は苦々しくも受け入れなければならない。
だけど、多くの反原発派にはその視点がないんです。
自分たちは無限に潔白な被害者だ、と。現在の運動参加者の多くは、
デモなどに初めて関わる“素人”だと思いますが、
左翼が逃げ込みがちな短絡した世界観が彼らの共通言語になってしまっている。
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07月12日(木)
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