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あんた何様?日記
by 名塚元哉
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■無意味な審議拒否=国会議員の職務放棄
2月2日付・読売社説(1):[野党審議拒否]「『政権をめざす党』の看板が泣く」
本格的論戦の幕開けになる衆院予算委員会を野党はそろって欠席した。
柳沢厚生労働相が辞任しない限り、審議には一切応じられないのだと言う。
自分の要求を通すために審議を拒絶する。
これは万年野党と称された旧社会党の手法だ。
2大政党の一方にあって政権をめざす民主党は、こんな悪弊を今こそ絶つべきだ。
厚労相は講演の中で、少子化問題に関して、
「(女性は)産む機械って言っては申し訳ないが、
その産む役目の人が一人頭でがんばってもらうしかない」などと口を滑らせた。
厚労相は、すぐさま「ごめんなさい」と謝罪したという。
女性を「機械」に例えるとはまことに軽率な発言だ。
まして厚労相は、少子化対策に重要な役割を担う閣僚である。
責任は重いと言わざるをえない。
民主党は、社民党、国民新党に党首会談を呼びかけ、
「女性の人権を否定した女性蔑視(べっし)の発言」であり、
厚労相は辞任せよと求めた。安倍首相は、厚労相を厳重注意し、
国会答弁で「多くの女性の心を痛めたことに私も深くおわびする」と陳謝した。
異例のことである。
民主党は今、なぜ、強硬姿勢をとっているのか。
この国会戦術を主導しているのは、小沢一郎代表だ。
小沢代表は代表質問で、事務所費問題など政治とカネの問題の解決なくして
「まともな論戦を始めることができない」と全面対決の構えをみせていた。
その際、厚労相の発言も取り上げ、その後「失言」を「糾弾」する
テレビ報道の過熱に歩調を合わせるように攻勢を強めた。
小沢代表には、参院選に向け野党共闘を強めたいという計算があるのだろう。
支持率低落に苦しむ安倍内閣のさらなるイメージダウンを図る、
国会冒頭から主要閣僚を辞任に追い込み与党の出端(ではな)をくじく、
ということも考えていよう。
だが、小沢代表は内政の「喫緊の課題」を並べて、論戦を挑んだばかりではないか。
「誰も責任を負わない」現行教育制度の改革、
終身雇用を前提とした雇用法制など、重要な論点を含んでいた。
野党が今回、審議に応じていない補正予算案にしても、
豪雨災害の復旧工事に充てる費用などを含んでいる。
それなのに、小沢代表が、審議拒否の旗振り役をするとはどうしたわけなのか。
これでは責任政党とは言えまい。
野党は、厚労相は、「人間として許されない暴言」を吐いたと言う。
少子化対策や雇用法制の見直しにあたる閣僚として、
厚労相がその任に堪えないと言うのなら、審議拒否ではなく、
審議の場で明らかにしていくのが筋だ。
(2007年2月2日1時44分 読売新聞)
2月2日付・朝日社説(1):柳沢発言 やるせない審議拒否
「女性は子供を産む機械」。柳沢伯夫厚生労働相の発言をめぐって、
通常国会は冒頭から大荒れだ。
安倍首相はひたすら国民に詫(わ)びながらも、柳沢氏をかばう構えは崩さない。
対する野党4党は柳沢氏の更迭を求めることで足並みをそろえ、
すべての国会審議をボイコットした。
与野党が対決姿勢を強めるなか、今年度補正予算案は、
きょう与党単独で衆院を通過する見通しだ。
双方の関心は1点に絞られている。「柳沢氏のクビ」の行方である。
問題の発言が、少子化対策を扱う閣僚にふさわしくないことは明らかだ。
野党が更迭を求めるのは当然といえる。
だが、本当にそれだけでいいのか。
そんな違和感を抱く人は少なくないのではないか。
柳沢氏が閣僚を辞めさえすれば、一件落着するような簡単な問題ではないだろう。
今回の審議拒否には、やるせない思いが募る。
国会の質疑を通じて首相や柳沢氏にただしてもらいたいことが山ほどあるからだ。
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02月02日(金)
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