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あんた何様?日記
by 名塚元哉
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■カンニング竹山さんがフクイチを訪問。
「着任した3年前は汚染水対策で火事場のようでしたが、最近は少し落ち着いてきました。
建屋の中は放射線量が高くて、ぱっと人が行って対応できるような現場じゃありません。
遠隔操作のロボット技術が今後より必要性を増してくるでしょう」。
竹山さんの質問に所長が静かに答えます。
免震重要棟や休憩棟に入ると、大勢の東電社員や関係企業の作業員と行き交います。
東電社員は赤いTEPCOマークが胸にある青色の作業服。
そのほかは会社や従事する現場によって色もスタイルも違う作業服です。
多くは男性ですが、時折女性もいます。
「お疲れさまです」「ご安全に」。互いに声を掛け合いながらすれ違う廊下を、
誰もが知るテレビの人気者が通るものですから「あれ?」「竹山さん!」
「カンニングだ!」「どうしてここにいるの?」と声が上がりました。
握手やスマホ撮影の求めに、竹山さんが笑顔で応じます。
ちょうど昼時。食堂で昼食を取ることになりました。380円均一で、
ごはんとおかずの定食2種類、カレー、麺類、丼ものが選べます。
休憩棟は昨年5月に完成しました。エアコンの効いた企業ごとの控室と大食堂があります。
第1原発から西へ9キロの大熊町に建設された専用の給食センターで作られた食事が、
昼から夕方にかけて1日5回、約3千食トラックで運ばれてきます。
食材は原則福島県産を使っています。以前はコンビニのおにぎりや
弁当を作業員がそれぞれ持ち込んで、日陰や廊下の隅に座り込んで食べていました。
これも東電が目指した労働環境改善の一つです。
食堂の女性従業員に「いらっしゃいませ」「たくさん食べて」と明るく声を掛けられ、
あたたかいご飯や汁物が取れるようになった。コンビニが開店し、
飲料水の自販機も設置された。すると休憩中の作業員同士で会話が増え、
構内の空気が和らいできたそうです。コンビニの1番人気商品はシュークリーム。
食後に甘い物を口にして、心を和ませたい心理でしょうか。
竹山さんの案内を担当した東電の社員は「イチエフ(第1原発)というと
異空間のようなイメージだと思いますが、
こうして町中に普通にあるものがあると、ほっとします。
もちろん被ばくを伴う作業現場ですから、
普通の町中とは同じではありませんが・・」と漏らしました。
竹山さんは揚げ鶏のコチュジャンソース定食、ひぐち君はほうれん草カレーを選びました。
男性作業員向けなのでボリュームは多めです。黙々と食べる2人を、
大勢の作業員がにこやかに見つめています。職場を見学に来てくれて、
同じものを食べている仲間意識のような雰囲気が芽生えていました。
被ばくを最小限に抑えるため、休憩棟には窓がありません。
7階に唯一ある見学用の窓から汚染水をためているタンク群を眺めたり、
構内全体の配置を模型で説明されました。フル装備の防護服と全面マスク、
ゴム手袋の試着もして、汗だくになりました。
約3時間の見学中、ずっと真剣な表情で小さなメモ帳に
ペンで記しながら回った竹山さんの姿は、私と同業の新聞記者のようでした。
「いやあ、来てよかった。毎回福島に来るたびに復興の進み具合が
見えたりして新しい発見があるんですが、きょうはイメージと現実の落差に驚きの連続で、
びっくりすることばかりでした。福島第1原発の中がどうなってるか知っている人って、
ほぼいないでしょう。情報もなかなか出てこないし。
私も含めて、ものすごくひどい環境の中で過酷でっていうイメージですよ。
それが、けっこうみんな笑顔も見せて、楽しく仕事しているように見えました」
「やんちゃっぽい地元の兄ちゃんもいるし、女性もたくさんいて、
活気があるじゃないですか。原発の外でも、周辺地域に多大な迷惑を掛けたからって
東電社員がいろいろな奉仕活動をしていることを初めて知りました。
社員も作業員の皆さんも本気なんだなって分かりましたよ。
こんなこと言うのもおこがましいけど、うれしかったです。
もし若かったら、ここで働いてみたいと思いました。
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06月02日(木)
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