ID:45126
あんた何様?日記
by 名塚元哉
[35281680hit]

■今一度、科学者早野龍五さんの声に耳を傾けよう。
早野龍五さんが今年、定年を迎える。いま福島の若い世代に何を伝えたいのか?

物理学者、早野龍五さん(65歳)。東京大学教授にして、福島第一原発事故後、その言動がもっとも注目された第一線の科学者だ。

事故直後、あらゆる憶測、流言、デマがインターネット上を飛び交った中にあって、
早野さんは「事実」を分析し、ツイッターで情報を発信し続けた。

発信はつながりを生み、「本業」と並行して福島の支援にもかかわっていく。
学校給食の調査、子供用の内部被曝測定器の開発、
地域の高校生たちとの活動……。そんな早野さんが今年、東大で定年を迎える。

原発事故、震災から6年目を迎えようとするいま、福島の若い世代に伝えたいことは何か?
いつもの穏やかな口調で語りはじめた。

「僕はデータを語って『大丈夫』だと言っているのであって、
思想を語っているわけじゃないんです」

専門家のコンセンサスを確認しておきましょう。
事故から5年がたち、内部被曝の問題はもう決着しています。
震災初期から、例えばイノシシの肉やきのこといった、ごくごく特定の食品を食べていた人は高かった。
それでも高い、と言われた人たちだって年間1mSvを超える人はいませんでした。

出荷制限がかかるような食品を食べたからといって、
実は心配されるような線量には達していないんです。これが重要なことです。

いま、内部被曝を心配する人で、1年で1mSv被曝するだけのセシウムを食べることがどれだけ大変なのか、
知っている人はどれほどいるのかなぁ。福島県産で、それだけ食べられる人はいませんよ。

福島県内を駆けずり回るイノシシを捕まえて、
毎日おなかいっぱい食べたところで、達しないでしょう。
不可能なレベルです。関係者のものすごい努力で、
ここまで低いレベルにあることを忘れてはいけないんです。

最初期は、僕も危惧しました。特に内部被曝はとても危惧していました。
だから、データをつかって調べてみようと思ったんですね。
実際に関わるようになるのは、2011年の秋以降でした。

県内各地のホールボディカウンター(内部被曝を検査する機器)で計測した
データを数多くみましたが、内部被曝は心配にならないくらい低かった。

その次の年にかけて、南相馬市で追跡調査をしたデータもみました。
目立って内部被曝が増えている人はほぼいなかったんです。
これで内部被曝は実際には、かなり低く抑えられているんじゃないかって確信を持ったんです。

その頃には、僕が提言して、福島市内で給食まるごと検査が始まり、
そのデータも集まり始めていました。
これは、実際に児童が食べる給食の放射性物質を
1食分丸ごと測るという取り組みですね。結果をみてさらに確信しました。

時系列は少し前後するのですが、2012年6月、
福島のリスクは高いんじゃないか、と考える科学者の集まりに呼ばれて参加したことがあります。
いま話したようないくつかのデータを使って講演をしたら、手厳しい批判を受けました。

その批判、一部は当たっているんですよね。
「あなたたちは、全員を測ったわけではないでしょう」
「安全な人だけ選別しているのではないか。きっとどこかで高い人がいる」という点は特に当たっている。
その通りだと思いました。

だから、その後も実測データを積み上げました。
例えば、三春町の子供達の内部被曝量を全員計測するというプロジェクトにも関わりました。

乳児用の測定器「ベビースキャン」というのも作って、
県内の乳幼児を6000人以上測りましたが、ひとりもセシウムを検出していないんですよね。

三春の子供たちも心配ない。

子供たちの実測データでこれ以上のデータがあるなら、僕はぜひみて見たい。
僕はデータを語って「大丈夫」だと言っているのであって、思想を語っているわけじゃないんです。

「福島産を食べることはまったく問題ないと断言できるようになりました」


[5]続きを読む

01月12日(木)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る