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あんた何様?日記
by 名塚元哉
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■羽生選手の怪我からの演技を美談にするだけでいいのか?
脳震盪の症状があったのではないかと疑われる。

なお補足までに言っておくと、「脳震盪」とは、意識消失のみを指すわけではない。
頭痛、吐き気、バランスが悪い、めまい、光や音に敏感など、その症状は多岐にわたる。
このことさえ、一般にはまだよく知られていない。

話を戻そう。羽生選手は、倒れてから10分後には練習に復帰した。
そして、さらに本番にも登場した。本番は転倒をくり返しながらも、
幸いにしてなんとか演技を終えることができた。

さて、ここで最大の問題は、その姿を、マスコミや観客、視聴者は、
「感動した」「涙が出た」とたたえたことである。

羽生選手側にもさまざまな事情はあっただろう。
今回はそのことは置いておくとして、この事案から、
脳震盪の怖さと日本のスポーツ文化のあり方について考える必要がある。

「魔法の水」の時代はもう終わった

「魔法の水」という言葉をご存じだろうか。
ラグビーの試合中に選手が脳震盪で倒れたときに、
ヤカンに入れた水(=魔法の水)を選手の顔にかける。
選手は水の刺激で気を取り戻し、競技に復帰する。
観客はそれを、拍手でもってたたえる。

いま、プロの公式戦でそのような姿をみることはなくなった。
なぜなら、脳震盪の症状があらわれた場合には、
試合を続行してはならないという考えがスポーツ医学の常識となったからである。
「魔法の水」の時代は、もう終わったのである。

なぜ、試合を続行してはならないのか。

脳震盪について考えるときには、交通事故による脳震盪とスポーツによる脳震盪のちがいを認識するとよい。
その決定的なちがいというのは、スポーツでは脳震盪を含む脳損傷が、
「くり返される」可能性が高いということである。

交通事故をたびたび繰り返す人はそういないが、スポーツの脳損傷はくり返される。
そしてそうした脳へのダメージのくり返しが、致命傷になりうることがこの数年、
脳神経外科医の間ではもっとも重大な関心事となっている。

しかも恐ろしいのは、脳へのダメージがくり返されるときには、
2回目以降の脳への衝撃がそれほど大きくなくても、致命傷になりうるというのである。
字義どおりの、選手「生命」の危機である。

柔道事故からの教訓

脳へのダメージがくり返されることが致命傷となる。

その危機感を可視化させたのは、2009年頃から話題になった柔道による重大事故であった。
柔道では学校管理下だけでも過去30年に118件の死亡事故が起きている。
この数年を振り返ってみると,たとえば、2011年には名古屋市内で、
柔道で投げられて頭部を打ち付けて,「頭が痛い」と言っていた高校1年の生徒が、
数週間後にまた頭を打ち、そのまま頭痛を訴えながら,
3回目の頭部の受傷により命を落とした。

また今年の3月には、沖縄県の町道場でも小学3年男児が同じような事故に遭った。
男児は柔道の練習中に、頭が痛いと感じそれを指導者に訴えたものの、
最終的には男児が練習を続ける意志をみせたため、練習を継続。
その後男児は、意識を失い倒れる。急性硬膜下血腫を発症し,
重大な後遺症が残る事態となってしまった。

このような事例は,まだまだある。これらは率直に、指導者が、
くり返しの脳損傷に敏感であれば、明らかに「防げた事故」である。

脳震盪後、24時間は競技に復帰すべきではない

スポーツ時に脳震盪が生じたときには、それをくり返さないことがとても重要なことである。
それゆえ、「競技復帰」には慎重を期すべきである。

脳震盪問題に早くから取り組んできたラグビー界は、
この競技復帰のあり方について詳細な取り決めをおこなっている。
日本ラグビーフットボール協会(JRFU)では、国際ラグビー評議会(IRB)の規定にならって、
医師が状況を管理してくれる場合は「受傷後最低24時間」、
医師により管理されない場合には「最低14日間」は競技に復帰すべきでないという方針である。

この基準に照らし合わせると、仮に羽生選手が脳震盪であったとすれば、

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11月09日(日)
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