ID:45126
あんた何様?日記
by 名塚元哉
[35274616hit]

■マスメディアは見世物小屋
 桜井氏は誰かが急速に注目され、急速に消えていく原因は
「ネタの作られ方」にあるという。
ネットでの話題を検証する余裕もなく大手メディアがそれを後追いする。
その結果、「新聞やテレビでワンテンポ遅れて話題を知る人は、
突然目の前に出てきた話に飛びつき、やがて踊らされている気がして引く。
メディアも目先の現象を追いかけるのが精いっぱいで、
対象への距離の取り方が分からない状況。
そのうち、真偽のほどが怪しくなって、その話は『おしまい』になる」。

 好例はネット情報がうそか本当か分からず、
振り回された民主党・永田元議員の偽メール騒動だという。

 「個人のレベルでさまざまな物事への対応の仕方が分からなくなってしまっている。
今はメディアの過渡期。新旧メディアがせめぎ合いながら騒ぎを繰り返している。
この先、どこへ行くのか。一つのポイントは地上波がデジタル化する
二〇一一年になるだろう」

 思想家で文芸評論家の吉本隆明氏は「若い人は持続性や根気のいることが好きでない。
『どうせ社会は良くならない』としらけている。
文学でも、短距離、瞬間的な作品が大勢を占め、
そうでなかった人も引きずられている」と話す。

■『都市化でサイクル短く』

 では、そうした傾向の原因はどこにあるのか。
吉本氏は情報社会の進展による「都市化」を指摘する。

 「生産から消費までのサイクルはコミュニケーションの発達した大都市ほど短い。
いつもそわそわ過ぎていくのが都市の時間で、その傾向が強まっている」

 情報が多く、便利になるほど、道徳、倫理は下落していき、
ただ、目立つことに飛びつきたがるという。

 「文学ではコミュニケーションにならない言葉がたまってくるほど、
いい作品ができる。有名とか無名というのは見ている人の問題で、
当人にはあまり関係ないこと。自分の考えることをやるのが第一だ。
だが、現在は(目立つことが社会の尺度となるため)
好きなことを書くという作業が難しくなっている」

 関西学院大の野田正彰教授(精神病理学)は登場人物の浮き沈みの激しさを
「その人の世界が広がれば、見聞きする出来事は当然多くなる。
あらゆる事件が、すぐ次の事件に消去される。
そうした情報化社会の歴史の中で起きている現象だ」と位置づける。

 ただ、情報洪水によって、その根底にある問題が見えなくなるという
弊害が起きているという。「税制や格差社会の問題を知らない状況で、
どこかで人が殺されたといった事件に引きずられる。
亀田選手の試合も本来何の意味もない」。スキャンダルも、
それとは逆の評価も体制維持のために消費されているとみる。

 「こうした状況は安倍首相も小泉前首相時代もそうだが、
政治権力にとってはやりやすい。本当に重要なできごとが報じられず、
イベント的な情報が目くらましに利用されている。刺激が繰り返されると、
心理的にまひしてしまうのは動物実験でも明白な現象だ」

■今年、人気の大波に揺れたこのほかのキャラクター 

 永田寿康元衆院議員 2月の衆院予算委で武部勤自民党幹事長(当時)と
堀江貴文被告の金銭疑惑を取り上げたが、証拠のメールがニセと分かり自滅

 カー娘(むす) 2月のトリノ五輪にカーリング女子で出場した「チーム青森」。
一時、アイドル並みの扱いだったが、11月の大会では観客激減

 くぅ〜ちゃん 消費者金融大手アイフルのCMに出演していたチワワ。
うるんだ瞳でブームを呼んだが、4月の同社業務停止で姿を消した

 畠山鈴香被告 亡き娘の死因究明を訴える悲劇の母から一転、その娘、
さらには隣家の少年の殺人事件で被告へ。
メディアスクラムも発生するが、すでに忘れ去られつつある

 くまぇり アイドル志望の女性が連続放火事件をブログで公開。
自作自演がばれ、「有名になりたい病」の根深さを世間に印象づけるも、
記憶のかなたへ

 がけ犬 11月に起きた野良犬の救助劇。全国から30件以上の

[5]続きを読む

12月24日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る