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M単★ランキン@馬券道場名人の日記
by ランキン
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■オークスの裁定について
今週発売の週間競馬ブックの78ページに
「提言 ファンに分かりやすい裁定システムを」
と題した、通常の号にはないページがありました。
問題点としては
・説明責任を果たしていない
・ルールの周知徹底がされていない
・裁決委員のあり方
の3点を挙げていました。
ああいうレースになってしまった場合、どんな裁決をしようと後味の悪いものになってしまうのは仕方ありません。
ただ、今回の場合は、ブックのフレーズを借りれば「馬はセーフ、騎手はアウト」の結論が、さらに問題の混乱に拍車をかけたのは異論のないところでしょう。
この規定、実は2005年から採用された
「進路の取り方について、以前の過怠金10万円に相当する違反行為に対しては騎乗停止2日を科す」
というものが適用されたものだったようなのですが、皆さんはご存知でしたか?
確かに以前は「過怠金10万」ってのがあって、これを見つけると「あ、あれは降着ギリギリだったんだな」…というように私も認識していたように思います。
これをなくして、罰金の替わりにもう騎乗停止にしちゃいますよって事になっていたようなのです。それは、知らなかった。
10万円の過怠金よりは、「騎乗停止」の処分の方が騎手にしてみればイメージ的にも収入的に痛いだろうし、危険走行防止の抑止力の向上には繋がりそうだ。
この規定の改定自体はむしろ評価されていいように思う。ただ、ブックの言うように、「裁定基準について、ファンの理解を得ようとするなら、告知努力が足りなかったのでは」…というあたりは同意。
さて、今回の件と、どうしても比較対象とされるのが2年前のカワカミプリンセスのエリザベス女王杯でしょう。
まともにぶつかってしまって双方に負傷が発生したカワカミプリンセスとヤマニンシュクルの件に比べると、今回の場合は直接的な激突は避けられています。
しかし、それは被害を受けた馬と騎手が「引いた」から…というか、ムリに逆らわなかったから…とみることも出来ます。
トールポピーは最初は外にいこうとしたが、そこではムードインディゴの福永騎手が引かなかった。馬体がピッタリと合っていたから…ということもありますが。
もしも、内にキレこんだ時にもっとレジネッタの小牧騎手や安藤勝騎手がオーバーアクションをしたり、引かなかった場合はどうなっていたのでしょうか。
このように、タラレバを言い出したらキリがないのですが、少なくとも、本来ならまっすぐに走れたはずのレジネッタや、オディールが、トールポピーのために大きく進路の変更を余儀なくされたことは間違いのない事実。
「進路確保は頭を突っ込んだものの勝ち」
…という競馬になってしまったら、初期のギャロップレーサーのように延々と斜めに走り続けてブロックすることすら許される…という論理が成立してしまいます。
こういう問題があると、「もっと基準を明確にしろ」という声があがるのも確かに分かるのですが、レースは生き物ですし、流れの中の出来事ですから、あまりにも杓子定規に細かく規定を作ってしまう事には私は反対です。
ただし、アトからでもいいから、JRAはもう少し詳細の説明をしたほうがファンの支持を得られるのではないでしょうか。
冒頭にも書きましたが、ああなってしまった以上、どんな結論でも後味の悪いものになってしまうのは仕方ない事だと思います。
しかし、そこでしっかりと説明をすることが、JRAの胴元としての責任ある、そして誠意ある対応のように私は思います。
・ディープインパクトの薬物問題
・藤田騎手のトラブル
・オーシャンSにおけるサンアディユの発走問題
他にもまだあるかと思いますが、こういった、ファンの関心が高いことに限ってJRAは口を閉ざしてしまいます。
時間はかかってもいいので、こういうトラブルの時にこそ真摯な対応をすることによってファンの信頼を得られるように思うのですが…。
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06月04日(水)
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